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研究内容RESEARCH

生物の「サビの素」

 我々人間を含め、多くの生物は呼吸を通して大気中の酸素を利用して栄養素を燃やし、体を動かすエネルギーを作り出します。同時に副産物として「活性酸素種(ROS)」も作り出してしまいます。
 このROSは、我々の体を酸化させるいわゆる「サビの素」です。少量のROSは生命の維持に不可欠ですが、多すぎれば我々の体は錆び付いてしまいます。幸い、我々の体には、このサビの素が過剰にならないようコントロールする機構が備わっています。
 ROSは、@紫外線や放射線・細菌やウィルス・大気汚染などの外的因子、A喫煙や大量のアルコールなどの生活習慣 などによっても作り出されます。日常生活には必ずROSが伴い、生物とROSは切っても切れない存在です。そして、我々の体は常にROSの量をコントロールしているのです。


ROSと老化・疾患

 ROSによる体の錆びこそが「老化」です。  生物の体のROSを抑える機構が衰えたり、ROSが余りに多く発生すると、体の細胞に障害を起こし、体はどんどん錆びてしまいます。

 この体の錆びこそが「老化」なのです。

 そしてこの体の錆びは、老化のみならず、150種類以上にもなる疾患の引き金になることも分かっています。主な疾患だけでも、癌や炎症性大腸炎、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、アルツハイマー病、慢性疲労症候群、高血圧、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、肝硬変などが挙げられます。

配合物「SUPALIV」「Twendee」の誕生

 2003年、犬房春彦は、欧州医療財団TIMA Stiftung 現理事長Markus Matuschka氏より、アルコールとその代謝産物であるアセトアルデヒドを低下させる物は無いかと相談されたのをきっかけに、研究を重ね開発された配合物が「SUPALIV」です。その後、SUPALIVの配合を変えて糖・脂質代謝を促進する「Twendee(スワヒリ語で進めの意味)」が開発されました。そのTwendeeが、Regensburg大学 Dr. Helmut Durchschlagにより、強い抗酸化効果があることを確認されました。それをきっかけに、抗酸化研究が開始されました。
 Twendeeは現存する抗酸化物質の中で、副作用が無く最も高い抗酸化効果を有しています。

配合物「SUPALIV」「Twendee」の抗酸化作用

 先述の通り、生物は放射線を浴びるとROSが過剰に発生します。そこで、あらかじめマウスに、Twendeeの一種「TwendeeX」を3日間投与し、その後強い放射線を浴びせました。同様にTwendeeX以外にも、一般に抗酸化作用がうたわれている「少量(または大量)のビタミンC」、「レズベラトロール」でも放射線によるROSの発生を比較しました。
 放射線を浴びせたマウスは、血液を採取し、活性酸素種の主要物質であるハイドロゲンペルオキシダーゼを測定しました。

Twendee Xの放射線酸化ストレスの抑制効果

 結果は少量のビタミンCでは効果は無く、大量のビタミンCで放射線により上昇した活性酸素種を20%弱低下させました。ただし、この低下は統計検定では有意差なしで、明らかに効果があるとはいえない程度の低下でした。
 一方、Twendee Xは放射線により上昇した活性酸素種を30%近くまで低下させ、統計検定(Student’s t-test)ではP=0.025と有意差が見られました。本実験でTwendee Xがin vivoでも高い効果があることが明らかになりました。

研究の展望

 過去の研究で、抗酸化作用の強いこの配合物が疾患の予防および進行の遅延、または治療の補助になることが明らかになりました。作用機序解析をin vivo,invitro実験モデルで立証し、メカニズムを明らかにする必要があります。例えば、ROSを主に産生するミトコンドリア及び抗酸化に関与する細胞小器官が受ける影響はどうなのか、疾患を伴った時と抗酸化物投与時の常在菌の変化はどうなのか、疾患に対する既存薬との相乗効果の検討など多岐にわたります。
 当部門は、抗酸化作用の秘める大きな可能性を探索して行きます。



岐阜大学 生命科学総合研究支援センター 抗酸化研究部門

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