病気の早期発見:予防医学とDNA検査について

2019.08.30

 

 

日頃、健康長寿を気にかけている方は「病気は早期発見が大切」ということはよくご存知ですよね。今回は病気の予防についてのお話です。

 

 

 

治療医学と予防医学

 

治療医学と予防医学、どちらも病気と向かい合うものですが異なるものです。そして「予防」というのは、色々な考え方があります。

 

「治療」というものは、そもそも、病気になって初めて治療ができます。つまり、病気ができてから治療するというものです。一方、病気を予防するというのは、食事や運動、健康増進のためのサプリメントの服用、などがあります。

 

 

その中でも、「病気の状態を早く発見する」というのが非常に重要です。例えば、皆様もご存知だと思いますが、がんの検診というのがあります。

 

 

日本はかなり熱心にがんの検診を行っています。よく知られているのは、胃がんや、大腸がん、乳がん、肺がんの検診です。胃がん検診で有名なのは、バリウムを飲んで行う胃のX線撮影、大腸がん検診であれば、便潜血検査(べんせんけつけんさ)、いわゆる検便(けんべん)で消化管の出血を調べる検査、乳がん検診は、マンモグラフィー検査で乳房のX線撮影、肺がん検診は胸のレントゲンを撮るいうものです。

 

 

これらは、健康診断や人間ドックでやったことがある方は多いと思います。このように地方自治体や国が実施している検診を受けて、早め早めに自分が気づいていない病を見つけるというのも、予防医学の一つだといえます。

 

 

DNA(遺伝子)検査の注意

 

予防医学として、病気の早期発見は大切なことです。健康診断や人間ドックの他に、最近、DNA検査というものを耳にすることがあります。

 

 

たくさんの会社から「皆さんの遺伝子を簡単に測定できます」というキットが出ており、その中には、非常に安価なものがあります。

 

このようなDNA検査キットで遺伝子を調べると、明らかにがんになる遺伝子が存在したりすること分かっているのですが、他の病気に関しては、その病気になる可能性が低いのから高いのまでという曖昧なものがあります。

 

 

とある会社のDNA検査キットの調査データを拝見したことがありますが、例えば、「あなた○○の病気になる可能性が高い。○○の病気になる可能性も高い」と、結果には書いてあるのですが、「それに確たるエビデンスがない。」ということも同時に書いてあるものでした。ですから、検査結果を丸ごと鵜吞みにするには注意が必要です。

 

 

また、気づいていない方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の遺伝子情報を調べる際に、遺伝子検査をする会社に「自分の遺伝子情報を使ってもいいですよ」というところにサインを入れさせられることがあります。

 

 

これは、通常、企業が遺伝子情報を取ろうとすると5~8万円かかるのですが、それを1、2万円で実施する会社というのは、安価な金額でたくさんの遺伝子データを集めて、それを自分の会社のデータとして使用しようと思っている会社の場合があります。

 

 

ですから、比較的簡単にDNA検査ができるからといってむやみやたらに遺伝子情報を色々な会社に提供することはお勧めできません。

 

 

遺伝子情報は、非常に大切な個人情報であり、親兄弟、またその遺伝子を引き継ぐ子孫の個人情報でもあります。どのような調査やデータとして使用されるのか確認した上で遺伝子情報を使っていいですよ、の部分にサインするか、判断してください。

 

 

今、DNA検査キットだけでなく、非常に「検査」の精度が上がっています。例えば、がんの検診というのは、今までは、非常に難しいものでしたが、現在、血液中の微量成分だったり、尿の中の非常に微量な成分を測定できるようになっています。近い将来、血液一滴、尿一滴で、がんの人が分かるという時代がもうじき来ると考えています。

 

DNA、テロメアの長さと寿命

 

最後に、健康長寿と寿命に関わる遺伝研究でテロメアの長さと寿命に関する話題が出ています。「テロメア」というのはいわゆる、DNAの端っこについているものです。「テロメアが短くなってくると、寿命が短い」と言われています。

 

ただし、テロメアは増やすこともできるのです。これは、テロメアを分解するテロメアーゼという酵素を発見してノーベル賞を受賞した女性科学者も、ある講演の中で、「テロメアは人間が年を取るほど、どんどん短くなって増えないと考えられるが、決してそのようなことはなく、食事を変えたり、運動をしたり、身体のサビ、酸化ストレスを下げることによって、また長くすることができる」と言い切っています。

 

それはなぜかというと、テロメアの長さというのは、寿命の重要なファクターではあるのですがそれは日頃の生活で、伸ばすことができるのだ。ということになります。