酸化ストレスの大敵!血糖値が上がるとなぜ酸化ストレスが上がるのか?

2019.11.04

血糖値が高いと酸化ストレスが上がるということは何度かこのサイトでもお話しています。

 

 

今回は、血糖値が高いとなぜ酸化ストレスが上がるのか、簡単に説明します。

 

血糖値はなぜあがる?

 

まず、「血糖値」とは何か?

「血糖」は、血液中に存在するグルコース、つまりブドウ糖のことです。

 

そして、血糖値というのは血液中にある血糖の濃度で、通常だと空腹時血糖、つまりお腹が空いている時の濃度が100mg/dl以下であれば問題ない基準として設けられています。血糖値の検査をする時によく「健康診断の前日の21時までに食事をして朝食は食べずに来てください」と言われたことがあると思いますが、この空腹時血糖などを調べる場合には4時間~14時間程度の絶食が必要となるからです。

 

この血糖値といのは、特に食後に上がります。身体を動かすエネルギーを作るために食事で摂取した炭水化物が消化され、まずはグルコースに変わって血液中に取り込まれるからです。食事で上がった血糖値は健康な方ですと2時間程度で140mg/dl程度に下がります。

 

インシュリンと糖代謝

 

インシュリンはすい臓という臓器のランゲルハンス島のβ細胞というところで分泌されます。

 

インシュリンは、食事などで上がってきた血糖値を下降させるホルモンで、血糖値を下げるための唯一のホルモンであるといわれています。

 

インシュリンは、血糖値を下げる=血糖をエネルギーに変換する「糖代謝」に大きな役割を担っています。

 

糖代謝とは簡単に言えば、身体の中に取り入れた糖を活動するためのエネルギーに変換することです。

まず、摂取した炭水化物はグルコースに変わり、血液中に流れ始めると膵臓から分泌されたインシュリンがそのグルコースを筋肉や肝臓の細胞内に取り込むように促します。

 

そしてグルコースを取り込んだ筋肉や肝臓の細胞(ミトコンドリア)が、グルコースをエネルギーに変えて、活動に使用したり、いざという時のために貯蓄したりするのです。

 

血糖値が高い状態

 

このインシュリンがうまく分泌できなくなったり、働きが悪くなると、糖代謝がうまくいかなくなりエネルギーに変換できなかったグルコースが尿に流れ出てしまいます。これが糖尿病です。

 

更に、糖尿病の状態でインシュリンがうまく働かないと、上がった血糖値が下がらず、血糖値が高い状態が続いてしまい、血液や臓器にダメージを与え、合併症を起こしてしまうのです。

 

血糖値が高いとなぜ酸化ストレスが上がるのか?

 

では血糖値が高い状態になると、なぜ酸化ストレスが上がるのでしょうか?その理由に関する論文が最近出てくるようになりました。

 

現在、岐阜大学 共同研究講座 抗酸化研究部門と共同研究をしている東京大学大学院農学生命科学研究科生体影響評価研究室の局博一(つぼね ひろかず)名誉教授のお話では、

 

「血糖値が高い状態だと身体のエネルギーを作る細胞であるミトコンドリアという小器官がさぼってしまう。」

 

というのです。

 

本来、細胞小器官であるミトコンドリアがエネルギーを作る作業の時に、呼吸から取り入れた酸素を使うのですが、血糖値が高い状態だとそのミトコンドリアがさぼってしまうため、酸化ストレスが上がってしまうという論文を2018年に発表されました。他にも似たような論文が、最近出てきています。

 

そもそも血糖であるグルコースは、エネルギーに変換しやすいため、本来もっと働けるはずのミトコンドリアが十分に働かない状態になるのです。そうすると、エネルギーを作るために体内に取り入れた酸素が、ミトコンドリアで全て使われずに残ってしまいます。その余った酸素が活性酸素になり、体内の酸化ストレスが上がるってしまうのです。

 

最後に

 

これまでの歴史から生活環境などを調べると、私達人間は何百万年もの間、糖質をとっていなかったはずです。ですから、本来は、タンパク質と、脂質を摂取してエネルギーに変換する身体になっています。しかし、この100年間くらいで大量の糖質を食べるような生活スタイルに変わってきており、それに身体が対応できていないのです。

 

血糖値が上がることによって酸化ストレスはあがります。酸化ストレスは身体をサビさせます。健康長寿を目指すには、日頃から酸化ストレスを抑える生活を心掛ける必要があります。その中でも酸化ストレスが上がりにくい食生活は非常に大切です。

 

今回のお話から、酸化ストレスを下げるためには、糖質制限をしていただくのが、非常に理論的でかつ有効だということになります。