2018.07.26
骨粗鬆症と酸化ストレスの関連性について
今回は骨粗鬆症と酸化ストレスのお話です。
骨粗鬆症という病気は、老化によって起こると思われがちですが、実は酸化ストレスとも関わりがあります。
まず、骨粗鬆症とは骨がもろくなり骨折しやすくなってしまう状態のことを言います。
骨はカルシウムやマグネシウムその他にもビタミンなどで作られていて、新陳代謝で新しい骨を作り続けています。
骨にも細胞があり、骨芽細胞という細胞が新しい骨を作り破骨細胞という細胞が古い骨の吸収を行っています。この新しい骨の形成と古い骨の吸収により骨は形成されているのですが、このバランスが崩れてしまい、骨の吸収が、新しい骨を作ることよりも上回ってしまうと、骨自体がもろく弱くなってしまうのです。
骨の強さを表しているのが骨密度です。
この骨密度は骨の単位面積(cm2)のおける骨塩量(カルシウムやマグネシウムなど)の量で決まります。この骨密度を測定した時に、骨密度が基準値より少ないと、骨粗鬆症と診断されます。
骨粗鬆症は男女で比較すると高齢の女性に多く、閉経に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少により骨密度が減少することが理由として考えられています。
そもそも、骨粗鬆症の原因である骨の代謝がうまくいかなくなる原因として、AGEsがあげられます。AGEsとは以前の記事、「「酸化」と「糖化」の違いは?AGEsとはどんなもの?(https://antioxidantres.jp/column041/)」でも出てきましたが、糖化ストレスが高い状態、つまり血糖値が高くブドウ糖が過剰な状態の時にタンパク質とブドウ糖がくっついたものです。終末糖化産物もいわれます。
このAGEsが骨の細胞、特に新しい骨を作る骨芽細胞の中に入り込むと、細胞が呼吸できなくなり、死んでしまうのです。そのため新しい骨が作られなくなり骨の代謝バランスが崩れてきます。結果骨密度が低下して骨粗鬆症になってしまうのです。
「「酸化」と「糖化」の違いは?AGEsとはどんなもの?(https://antioxidantres.jp/column041/)」の記事で糖化とAGEsを作る糖化と酸化は、パラレルの関係にあると説明しています。
血糖値が高い状態では酸化ストレスが上昇しそれと同時に糖化によってAGEsが作られてしまうのです。
現在、酸化ストレスを抑えてやることで骨粗鬆症を改善しようという治療を行っている先生もおられます。