2019.05.27
甲状腺の病気(バセドウ病、橋本病)に酸化ストレスが関係している?
甲状腺疾患という甲状腺に関わる疾患があります。この疾患は男性よりも女性に多く、健康診断で診断されたり、自覚症状があって病院に行って診てもらったことで甲状腺疾患だったと知ることがあります。
甲状腺とは、喉のちょっと下あたりに羽を広げた蝶々のような形をしています。
甲状腺は、甲状腺ホルモンを分泌します。この甲状腺ホルモンはエネルギーを作るために新陳代謝を促したり、心臓から体中に流れる血液の量や体温の調整、交感神経を活性化する役割があります。
この甲状腺疾患にも酸化ストレスが関わっています。
甲状腺の機能がうまく働かなくなると甲状腺ホルモンの分泌が多すぎたり少なすぎたりして、体に不調の症状が出ます。
甲状腺の疾患には、甲状腺の機能が上がる疾患と下がる疾患があります。
まず甲状腺の機能が上がる疾患に、バセドウ病という病気があります。甲状腺の機能が上がることで甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態です。
動悸が速くなったり、目玉が飛び出す「どんぐり眼(まなこ)」といった症状がでてきます。また心拍数が上がる、汗をかきやすくなる、下痢が続くといった症状もあります。その他にも疲れやすい、イライラする、不眠になることもあります。
この疾患は特に甲状腺での炎症がありますので、当然ながら酸化ストレスがものすごく高くなっています。この場合、酸化ストレスを抑えてやると症状がよくなるということがわかってきています。
この疾患とは反対に、甲状腺の機能が低下する疾患には橋本病という病気が有名です。甲状腺の機能が低下するため、甲状腺ホルモンが出にくくなります。
顔や体がむくんだり、肌が乾燥したり、疲れやすくなったりします。また、やる気がでなかったり、身体のだるさが続いたりします。
この場合、甲状腺の機能が低下している状態も甲状腺局所の酸化ストレスが上がっているということが明らかになっています。
甲状腺疾患には、他にも甲状腺自体に腫瘍ができる疾患もあります。
甲状腺疾患がある場合でも、人によっては症状が出ない場合もあります。また症状がゆっくり進むことで、自分では甲状腺疾患に気づかない場合もあります。最近では健康診断の項目から甲状腺疾患が見つかることがあり、特に女性に増えている疾患です。
酸化ストレスとも関わりのある疾患ですから、甲状腺の機能が高くなり過ぎても、下がり過ぎても、甲状腺疾患には酸化ストレスがあると考えてください。