2019.08.14
酸化ストレスにさらされると神経細胞にも影響があるのでしょうか?
酸化ストレスが高い状態が続くと脳細胞や肝細胞にもダメージを与え認知症や肝炎などの疾患につながります。酸化ストレスは臓器だけではなく神経にも良くない影響があるのでしょうか?
まず神経というのは全身に張り巡らされ脳や脊髄とつながっています。この役割は身体のある部分で受けた刺激を脳や脊髄に伝えたり、逆に脳や脊髄からの命令信号を身体の各部位に伝えたりといった伝達を担っています。
ですから、神経が傷つくと脳からの命令が伝達されなくなり動かしたいと思っても動かすことができなくなってしまったり、何かに触れても脳に情報が伝わらず何も感じないというようなことが起こるのです。
身体の中枢を担うのが中枢神経です。その中でも脳に存在する神経は脳神経、脊髄に存在する神経は脊髄神経と分類されます。
また中枢神経以外の神経は末梢神経であり体制神経は運動神経・感覚神経に分類され、自律神経は交感神経・副交感神経に分類されます。
存在する場所や役割によって分類されますが全てつながっており、身体で起こる情報を神経細胞内のシナプスから出される神経伝達物質によって伝達をしているのです。
酸化ストレスが高い状態が続くと、神経細胞にもダメージを起こすことがあります。
非常にわかりやすい例を説明します。
糖尿病の合併症には「糖尿病神経障害」があります。これは糖尿病の合併症の中でも最も頻度が高く、もっとも早期から起こるものであり進行して長期間にわたると手足の先がしびれてきて感覚がなくなってきます。そして最後には全く何を触っているか分からなくなる。というようなひどい症状になります。
これは血糖値が高いからではなく、血糖値が上がることにより身体の中の酸化ストレス物質が上がり、酸化ストレス物質が炎症を起こし神経がダメージを受けてしまうという状態です。
そして手足の感覚が全くなくなってしまった場合には、元に戻すことは難しいと思います。
しかし手の痺れがある、感覚が少しおかしいという状態であれば、酸化ストレスを抑えてやることで、神経の炎症がよくなりますので、症状が改善するということがわかってきています。