2019.08.16
難治性の疾患と酸化ストレスの関係(ALS、パーキンソン病)
酸化ストレスを下げることはALSやパーキンソン病の症状改善につながるというデータが集まってきています。
ALSやパーキンソン病は難治性の疾患といわれており、現在では完治が難しく治療方法自体も確立していない疾患です。
このような疾患に対して政府は特定疾患治療研究事業で研究をしたり、2015年に「難病の患者に対する医療等に関する法律」を施行し、難病医療費助成制度を確立するなど様々な対策を行っています。
体内の酸化ストレスを下げることは美容やアンチエイジングにつながるということは知られてきていますが、このような治療が難しい疾患に対しても効果が期待できるというデータが取れ始めているのです。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気がありますが、この患者さんたちは血液中の酸化ストレスが物凄く高くなっています。いわゆる病気のある脊髄で炎症が起こっているのです。
ですから、酸化ストレスを下げることによって病気の進行をある程度は食い止められるというデータが最近では出始めています。
パーキンソン病という病気があります。このパーキンソン病にはいくつかのタイプがあるのですが、だいたい6割くらいの患者さんで酸化ストレスが高くなっています。
それはパーキンソン病の本体である脳の一部に炎症が起こっているからだと言われています。
現在、酸化ストレスを下げることによってパーキンソン病の患者さんの症状が少し改善するというようなデータも集まってきています。
酸化ストレスが関連する病気は現在150種類以上あることがわかっています。
上記に挙げたALS、パーキンソン病も現在、研究中の疾患です。
その他にも下記の疾患の研究を行っています。
・認知症
・睡眠時無呼吸症候群
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎)
・慢性炎症性疾患(関節リュウマチなど)
・慢性疲労症候群
・がん(末期の疲労倦怠感や食欲の改善)
・甲状腺疾患(バセドウ病、腺がん)
・糖尿病(血糖値とHbA1cの低下、末梢神経障害)
・高血圧
・妊娠関連(悪阻、妊娠性皮膚掻痒症)
・肝疾患(NASH, 肝硬変)
・花粉症
・喘息
現在、岐阜大学共同研究講座抗酸化研究部門は研究機関などと一緒に様々な症状の方に酸化ストレスを下げた場合のエビデンス(証拠)を取らせていただいています。
今後、ある程度のエビデンス(証拠)がまとまり次第、発表していく予定です。