私は体がサビる、酸化ストレスの研究者で岐阜大学とルイパストゥール医学研究センターに所属しています。
武漢(Wuhan)大学教授で酸化ストレス研究の大家であるWei Hua教授から2月16日にメールをいただきました。
武漢大学医学部のとある教授は抗炎症薬と抗酸化剤を併用する治療戦略をたて、病院で試したところ良い結果だった。と書いてありました。 すなわち酸化ストレスを下げる治療法がすでに中国,武漢の病院では開始されています。 コロナウイルスに感染しないように、また感染しても軽く済むように酸化ストレスを下げる事が大切です。
どのようにしたら酸化ストレスを下げる事が出来るのか正確な情報をお知らせします。スライドのように5項目あります。
1番目は抗酸化サプリメントの摂取です。但し、過剰摂取は副作用しか起きません。抗酸化物質として例えばビタミンCの大量摂取を勧める方がいますが、これは大きな間違いです。
スライドは私が開発した抗酸化配合剤Twendee Xの量と抗酸化効果をマウスで調べたデータです。少量から抗酸化効果が出ていますが20mg/kgでピークになり、その後は抗酸化効果が下がってきます。このようなグラフをベルシェイプと呼びます。共同研究者のフランス学士院会員Christian Amatore博士にこのデータを見せたら「抗酸化剤はすべて電気化学的にもベルシェイプになるんだよ。 ビタミンCも同じだから、ビタミンCを一日1グラム以上飲んでも抗酸化効果は出ないし、副作用しか起きません。飲めば飲むほど効果が出るなどという謳い文句に騙されないように。」と仰っていました。皆様もご注意下さい。そしてエビデンスのある抗酸化剤を「適量」飲むように心がけて下さい。
さて、次はタバコとアルコールです。
紙巻きタバコを吸うと、唾液の中にアセトアルデヒドという毒物が分泌されます。アセトアルデヒドは強力な酸化剤ですので体をサビさせます。ですからタバコを吸う方は肺ガンのみならず大腸ガンや乳ガンまでもおこしやすいし、認知症のリスクも上がります。早死にしたい方を除いて、百害あって一利無しの紙巻きタバコは止めて下さい。
大量の飲酒はアルコールが体内でアセトアルデヒドに変わるので酸化ストレスが上昇するのです。決して大量飲酒をしないで下さい。
次は肥満のある方です。
このスライドは2009年にインフルエンザが猛威を振るった時に世界中で死亡した方を調べてリスクを調べた論文です。高度肥満はリスクがなんと33倍、糖尿病も4倍と高い数値です。血糖値が上がると酸化ストレスが跳ね上がるのですね。ですから糖尿病やその予備軍の方々は糖質制限をして血糖値を下げると良いでしょう。
次に睡眠と精神的なストレスです。
睡眠不足は脳に炎症性物質と酸化ストレス物質がたまります。ひどくなると睡眠時無呼吸症候群になります。そして精神的なストレスも酸化ストレスが上がるので、出来るだけ避けて下さい。
最後は体を温める。この体を温めることが重要です。
体温が1度下がると免疫が30%低下して、体温が1度上がると免疫が何倍にも上がると言われています。 免疫をあげるには体を冷やしてはいけません。寒くて不安な方は、このように貼るカイロを背中のシャツの上や上着に裏側に貼って背中や腹背部を温めて下さい。少し風邪気味の時に貼るカイロを使うと回復はとても早くなります。また、おなかを壊した場合でも腰に貼ると症状が早く治まります。これは血液の循環が良くなるのと免疫が上がるためただと考えられています。 以上、手軽に免疫力をアップする手段を紹介しました。
※当動画・テキストで公開している内容は、岐阜大学 抗酸化研究部門 特任教授 犬房春彦の個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。