2020.05.24
酸化ストレスの元「活性酸素」、実は身体の免疫に役立っている!
「活性酸素は酸化ストレスの元であり、身体をサビさせるもの」だとよく紹介されています。しかし、実はこの活性酸素にも身体を守る大切な働きがあるのです。今回は活性酸素が私達の身体にどのように役に立っているのか解説します。
活性酸素種は私達の身体の中で毎日作られています。私達は呼吸で取り入れた酸素を活動するためのエネルギー作りに使うのですが、 同時に酸素は活性酸素種も産生されてしまいます。
この活性酸素種は身体をサビさせる酸化ストレスの元ですが実は身体にとっていい働きもしています。
私達の身体の中には免疫細胞である白血球があり、その中の好中球は、体内に細菌やウイルスなどの悪い物が入ってくると白血球の中に飲み込みます。しかし飲み込んだだけではこの細菌やウイルスは殺せません。
白血球は過酸化水素や次亜塩素酸を使って取り込んだ細菌やウイルスを破壊するのです。
過酸化水素や次亜塩素酸は身体をサビさせる元、つまり酸化ストレス物質ではありますが、私たちの身体は逆にこの力を利用して身体にとって悪いものを破壊し、感染から身を守っているのです。
免疫細胞には大きく分けて2種類あります。一つは胸の骨の後ろにある胸腺から出るT細胞系のもの。そして胃の横にある脾臓から出るB細胞系のものです。どちらもそれぞれ異なる免疫をの役割を担っています。
免疫細胞とはいわゆる白血球のことですが、身体に炎症が起こりますと、その場所に白血球が集まります。白血球はその炎症に対抗するために酸化ストレスを作りますから、炎症が起こって白血球が集まってきてしまいますとそこで酸化ストレスが生まれ、炎症のあるところは酸化ストレス値が高くなるということになるのです 。
体内の酸化ストレス値が高い状態だと私達の免疫細胞である白血球自体がダメージを受けてしまいます。そうすると白血球は本来の免疫力の効果が発揮できなくなってしまうのです。
免疫力が低下すると細菌やウイルスに感染しやすくなります。また免疫のバランスが崩れると花粉症などのアレルギー症状が出ることがあります。
酸化ストレスの元凶である活性酸素種は、体内から取り除くことはできません。取り除けば細菌やウイルスから身を守ることができず、感染症を起こしやすい虚弱体質になってしまいます。
しかし免疫力を上げたいと思っている方は酸化ストレス下げることは有効です。免疫は身体を守るために大切な機能なのでその細胞がダメージを受けないよう酸化ストレスが上がらない生活を心掛けるとよいでしょう。