2020.05.26
新型コロナウイルス、免疫力とサイトカインストームの関連について
免疫という言葉があります。免疫力が低下しているとウイルスに感染して重症化しやすくなる。これは分かりますね。そしてサイトカインストームが今回のコロナウイルス感染では出てきているんですが、これはコロナウイルスが作り出す酸化ストレスを自分の免疫力で抑えきれない場合にもう何でもいいから闘おうとしてウイルスと闘ってくれるだろうというようなサイトカインをいっぱい出してしまってうのです。出過ぎるとそれはウイルスだけではなく、肺炎を起こしたり肝臓腎臓精巣にまで障害が起こることが分かっています。
ですから基本的な免疫力を上げるのは非常に重要なのです。
基礎疾患がある方は非常に重症化しやすいのですが、2009年2010年の新型インフルエンザの重症化死亡リスクを調べた論文ではアトピー性皮膚炎というのは入っておりませんでした。
ただしアトピー性皮膚炎とは免疫のバランスが崩れて起こっていますので注意していただくのに越したことはないと考えています。
酸化ストレスを下げて免疫力を上げるといわれているものは、色の濃い物なのです。野菜とか果物で赤とか紫とかいわゆる色の濃いものというのは酸化ストレスを下げる効果があるといわれています。
よいものというよりは避けた方がよいものとしては糖質があります。つまりお砂糖とか炭水化物です。これは血糖値が上がると酸化ストレスが上がるということが分かっていますのでできるだけ避けるようにしてください。
コロナウイルスに感染して間質性肺炎を起こして重症化する時にサイトカインストームというものが起こります。これはどういうことかというとコロナウイルスが感染して酸化ストレスを出していわゆる免疫に関わるサイトカインというものがたくさん出てくるのです。
それはアレルギー反応のようなものと考えてください。ですからウイルスが感染してサイトカインが出てくる、ところがウイルスの方が強くてどんどん増えてきた時には我々の身体はもっとサイトカインを出せばよいのではないかと思ってたくさん出す。その出てきたサイトカインがウイルスだけではなく我々の肺であったり肝臓、腎臓、精巣というものも攻撃してしまうとこれが全身に障害が起こる状況です。
ですから免疫の嵐という名前を付けられているんですけれどもアレルギーがひどくなって免疫の嵐が起こるということだと思います。ですからこうゆう重症なサイトカインストームを起こすまでに有効な治療を行うことが大事だと考えています。
※当動画・テキストで公開している内容は、岐阜大学 抗酸化研究部門 特任教授 犬房春彦の個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません