2020.05.28
新型コロナウイルスに関わる薬剤とワクチンについて
レムデジビルの臨床試験については2種類の報告が出ています。まずは中国でこちらは効果がなかったとされています。そしてアメリカでレムデジビルを開発販売しているギリアド(Gilead Sciences)という会社では有効だったというのですがどちらが正しいのかというのは私には分かりません。
ただしこのレムデジビルに関しては言えるのは、4分の1の患者さんが腎臓に障害が起こることがあるので、安易に使える薬とは考えません。ステロイドとアビガンの使用といわれていますが、ステロイドは発症後2週間以降は重症化する可能性があるので使用禁忌となっています。そしてアビガンに関してもインフルエンザに対して投与する量の3倍を投与しているのですが、当然多くの副作用が出ていると認識しています。
ワクチンの開発が早ければ9月と言われていますが、こちらの安全性を調べて大量に生産するというのにはやはり1年程度もしくは1年半程度かかるといわれています。
ですからそれまでは、今あるものを使って予防していくということしかありません。そういう意味では手洗いとかうがいをしっかりするとか、マスクをして感染者が他の人に広げないようにすると、これが重要ですし酸化ストレスを下げて免疫力を上げるというのが重要だと考えます。
抗ウイルス薬に関してですが皆さん特効薬という意味に考えておられる方が多いのですが、今ありますアビガンも元々はインフルエンザの薬でインフルエンザの症状が一日早く治まる程度の薬です。ですから今回のコロナウイルスの特効薬ではないのです。しかもインフルエンザに投与する量の3倍を投与しているので多くの副作用が出ていると考えます。
そしてワクチンに関しては有効性と安全性を確認して市販されますので有効なワクチンが市販された時には抗ウイルス薬と比較してワクチンの方が安価でかつ安全なものになると考えます。
新型コロナウイルスで飲んではいけない消炎鎮痛剤というものがインターネット上で公開されています。安全性が高いものとして1類紹介しておきますがメフェナム酸、ポンタールという商品名なのですが、こちらは重症化に関連がないといわれているので薬局で消炎鎮痛剤を買われる時にはメフェナム酸をお求めください。
※当動画・テキストで公開している内容は、岐阜大学 抗酸化研究部門 特任教授 犬房春彦の個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません