三澤整形外科スポーツクリニック 院長
三澤 辰也 先生
東日本大震災からの復興が進む中、地元南相馬市で地域医療に貢献したいという思いから、三澤整形外科スポーツクリニックを開業した三澤先生。
そんな三澤先生が整形外科分野に「抗酸化」の概念を取り入れるきっかけとなったのは、日本抗加齢医学会での犬房先生による講演でした。この出会いを通じて、抗酸化サプリメントの可能性に注目し、特に骨粗鬆症の治療において抗酸化サプリメントを活用されています。
今回は、クリニックの概要や治療方針に加え、整形外科分野と抗酸化の関係、そして骨粗鬆症の患者さんへの具体的な治療方針について、三澤先生にお伺いしました。
―開業の背景を教えて下さい。
三澤先生:私はもともと福島県の南相馬市出身で、この辺りが地元なんです。ただ、震災の影響で一時避難区域に指定されまして、その間は仙台で病院勤務をしていました。開業することを考えたとき、「少しでも復興に役立ちたい」と思い、南相馬に戻ってきました。
また、以前はU15~U17サッカー日本代表のチームドクターをしていました。ですから、一般的な整形外科はもちろん、スポーツに励む子供たちを診られるようなクリニックを作りたいと考えました。この地域にはそういった施設が少なかったので、子供たちの役に立てる場を提供できればと思いました。
―どのような患者さんが来られるのですか。
三澤先生:クリニックの名前に「スポーツ」を入れてはいますが、実際には60代から70代の高齢の患者さんが多いですね。スポーツ診療はほとんどが学生さんで、全体的には高齢者が7〜8割くらいの印象です。
高齢者の患者さんの場合、一番多い来院理由はやはり腰痛や肩こりですね。また、変形性膝関節症といった膝の軟骨が減った痛みや、肩関節周囲炎による肩の痛みなども多く見られます。
症状がない方でも、特に閉経後の女性の場合、骨粗鬆症が起きていることが少なくありません。「骨粗鬆症を調べてほしい」ということで来院される患者さんはほとんどいませんが、他の治療で来院され、症状が落ち着いた後に、閉経後の女性の方には骨粗鬆症の検査をおすすめしています。
検査してみると、ほとんどの方が骨粗鬆症の傾向があります。この疾患は治療を始めても「良くなったから終わり」というわけにはいかないため、定期的に通院いただいてフォローすることが重要になります。そうした経緯で、リピーターになられる患者さんも多いですね。
――先生の治療方針を教えて下さい。
三澤先生:治療方針として、「予防に勝るものはない」というのが私の考え方です。一度具合が悪くなってしまうと、骨折などの場合は特に、治療しても完全に元通りに戻るわけではありません。そのため、リハビリも含めて予防医療に力を入れています。
私自身、日本抗加齢医学会の専門医資格を持ち、関連する学会にも参加しています。そこで得た知見をもとに、「これなら効果が期待できそうだ」と感じたサプリメントを選び、患者さんにもご案内しています。
―整形外科治療と抗酸化はどのように関係しているのでしょうか?
三澤先生:抗酸化という概念は、最近では整形外科の分野でも注目されるようになりました。特に骨粗鬆症との関連が指摘されています。骨粗鬆症は「骨強度が低下し、骨折のリスクが増大する骨格疾患」と定義されていますが、骨強度は骨密度と骨質で決まります。骨質は性ホルモンの減少や加齢、生活習慣病の罹患により高まる酸化ストレスや糖化ストレスの影響で悪化します。
骨質は、骨の構造特性と材質特性で規程されますが、材質学的にはハイドロキシアパタイトからなるミネラル成分と有機成分であるコラーゲン蛋白からなっています。隣接するコラーゲン分子は本来なら善玉架橋で結合されますが、酸化ストレスや糖化ストレスの増大で骨を過剰に硬く脆くする終末糖化産物(AGEs)の悪玉架橋が増え、骨強度が低下します。
患者さんの骨質を調べるために、私たちのクリニックではAGEsの代表的な物質である血中ぺントシジン(※)の数値を測定しています。これは希望者のみの自費診療ですが、骨粗鬆症のリスクをより詳しく知るために有用な検査です。
※ペントシジンは、タンパク質が糖と結びついてできる終末糖化産物(AGEs)の一つで、老化や糖尿病、腎疾患などで蓄積し、組織の硬化や機能低下に関与します。
―骨粗鬆症はどのように治療されているのでしょうか。
三澤先生:骨粗鬆症の治療では、まず骨密度の値に応じて、骨形成促進薬か骨吸収抑制薬を使用します。それに加えてペントシジンの数値が高かった患者さんには、Twendee Xを積極的におすすめしています。酸化を抑えることが糖化の進行を防ぐ鍵になるので、その錆びを抑える効果が期待できるサプリメントを提案しています。また、食生活についても指導を行っています。糖質の摂りすぎや、焦げ目のついた食品を食べることでAGEsが増えやすくなるため、患者さんにはそのリスクをお伝えしています。糖化が健康に及ぼす影響を分かりやすく説明した記事をお渡しし、患者さんに読んでもらっています。たとえば、「焼き餃子よりも水餃子の方が良い」などと患者さんには覚えてもらえているようです。こうしたサポートを通じて、食生活からも骨粗鬆症の予防につなげることを目指しています。
―実際にTwendee Xを飲んでいる患者さんの事例を教えて下さい。
三澤先生:私たちのクリニックでは、ペントシジンの測定を始めてから2~3年ほど経ちます。頻繁に測るものではないので、基本的には年に1回の測定を行っています。正確なデータをまだ定量的にまとめてはいませんが、Twendee Xを飲んでいる患者さんのほうが、1年後のペントシジンの数値が下がっているケースが多いという印象を持っています。
一方で、金銭的な理由でサプリメントを飲まない方もいます。そのような場合でも、次の年に測定を続けると「去年より数値が上がっていますよ」と結果をお見せできるので、それをきっかけに「やっぱり飲んでみます」と決断される患者さんもいらっしゃいます。
骨粗鬆症は骨折でもしない限り症状が出ないため、「これが変わった」と患者さん自身が実感することは少ないです。しかし、Twendee Xを飲んでいる方からは「疲れづらくなった」「家族が風邪をひいても自分だけは元気だった」といった声をいただくことがあります。これらは本来の抗酸化サプリメントの効果が出ているのではないかと感じます。
こうした実感があると、患者さんも継続的に飲んでくださり、感謝の言葉をいただくことも少なくありません。長く飲み続けている方ほど、その効果を実感して気に入ってくださるケースが多いですね。
三澤先生によると、抗酸化は骨粗鬆症だけでなく、軟骨のすり減りにも深く関係しているそうです。整形外科の分野でも、抗酸化サプリメントを取り入れることで、患者さんの健康維持や治療効果の向上に役立つという事例は、整形外科の新しい可能性を示す重要な事例ではないでしょうか。
三澤整形外科スポーツクリニック
〒975-0038 福島県南相馬市原町区日の出町541-1
https://www.misawa-sports.com/