- 私は安いワインを飲むと悪酔いしてしまいます。安いお酒は悪酔いの元と聞いたことがありますが、なぜ悪酔いするのでしょうか?
安いワインは悪酔いして、高級なワインだと悪酔いが無いのですね。理由は単純です。
ワインはブドウから作りますが、ブドウを採取してまずは傷んだり、カビが生えているブドウの実を取り除いていきます。
ところがこの時点で、あまりに厳しく取り除くとブドウジュースが減りますよね?
ですから安物ワインの作り手は出来るだけ多くのブドウの実を残しますが、これがワインが傷む原因です。もちろん傷んだブドウの実を使うと良いワインが出来ません。
さて、選別したブドウの実を次はプレス機で圧縮します。最初に圧縮したものは主にブドウの果実のジュースです。いわゆる一番搾りですよね。この一番搾りが最も良いワインが出来るのです。ですから高級ワインにはこの一番搾りしか使いません。
さて、一番搾りのあと、圧縮を緩めると残った皮や種は少し膨らんで来ます。そして二回目の圧縮かけると、二番煎じのジュースが取れます。
安物ワインの作り手はこの二番煎じや三番煎じも一緒に合わせてワインを作っちゃうのですね。そうすると出来るワインの量が増えるからです。
しかし、二番煎じ、三番煎じのジュースの中身はブドウの皮や種などから出るものですからいろいろな雑味=果実以外のタンパク質やアミノ酸が含まれます。そしてこれらは最終製品のワインにも含まれてしまいます。ですからこれらタンパク質やアミノ酸が悪酔いを引き起こすのですね。
一方、焼酎やブランデーなどの蒸留酒も同じことが起こります。米、麦、ブドウなどを発酵させて醸造酒を造った後、蒸留をしてタンパク質やアミノ酸などを除いてアルコールを濃縮していきます。
この時の蒸留過程で、アルコールの抽出は山型になるのです。山の真ん中は大変良いアルコールです。そして蒸留の初めと終わりの山裾の部分は不純物が多く含まれます。
ですから素晴らしい蒸留酒を造っているコニャックの作り手は山のピーク部分しか製品に使いません。ところが安物蒸留酒を造る会社は出来るだけこの幅を広くしようとします。もちろん製造量を増やして安価に作成してるからです。
あなたがもしも、安物蒸留酒で悪酔いするならこの不純物が原因でしょう。
余談ではありますが、コニャックを作るときに山の最も良い部分を取り出して、もう一度蒸留します。そうすると二度目の蒸留で得られる山のピーク部分は不純物が究極に除かれてコニャックの最も素晴らしいものになります。
これがフランスの高級香水に使われているのですね。コニャックなしにフランスの香水の香りは出てこないのです。お酒を飲むときには悪酔いする安物はお控えください。健康に良くないと思います。