今回は抗酸化研究のお話です。
抗酸化研究には将来的に「不老不死」が目指せるかもしれません。
そして、以前記事「身体のサビを防げば、不老不死が目指せるのか?(https://antioxidantres.jp/column021/)」でも挙げていますが、不老不死を熱心に研究しているアメリカのオーブリー・デグレー博士があげている不老不死の7つの条件があります。
「不老不死の7つの条件」
1.がんをもたらす核染色体の突然変異をなくす(がんの防止)
2.ミトコンドリアの突然変異をなくす(細胞のなかでエネルギーが作られなく
なるのを防ぐ)
3.細胞内のゴミを少なくする(循環器系の病気を防ぐ)
4.細胞外のゴミを少なくする(ボケの原因になるアルツハイマー病を防ぐ)
5.細胞外の架橋形成を維持する(体の弾力性を維持する、シワや高血圧を防ぐ)
6.死ぬべきなのに死なない細胞を減らす(心不全を防ぐ)
7.細胞の死(アポトーシス)を防ぐ
この7つの条件は抗酸化研究と深い関わりがあるのです。
が、今回はこの7つの条件にある「細胞のゴミ」というものにフォーカスを当ててみます。
この7つの条件に2度も出ている「細胞内外のゴミを少なくする」というのは一体どういうことなのでしょうか?更に、「細胞内外のゴミをどうやったら少なくできる」のでしょうか?
まず、これは2016年に、日本人の大隅良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
大隅栄誉教授の研究は「オートファジー」という現象です。
この「オートファジー」というのは、一言で言うと、細胞の中にある本来要らないゴミというのをどうやってゴミとしてお掃除するか?という現象なのです。
この現象は非常に重要です。
「オートファジー」がうまくいかないと、例えばアルツハイマー病だと、アミロイドベータという蛋白が細胞の周りにへばりついてしまい、お掃除できないため、アルツハイマーを起こすといわれています。
そして、例えば膵炎です。
膵炎という病気も、膵臓の中でゴミがうまく排出されなることが原因で膵炎が起こるということがわかってきています。
不老不死の条件としてあがっている「細胞内外のゴミの処理」これが、まさにこの「オートファジー」です。
これが非常に重要な項目なのです。
この研究は、ようやくノーベル賞をとったことで日の目を見たような現象なのですが、これから更に研究が進んでいくと思います。
今回こちらで紹介させていただいた大隅良典栄誉教授というのは、1945年生まれの日本の生物学博士です。東京工業大学で研究されていました。
その東京工業大学に詳細なページがありましたので、ぜひ紹介させていただきます。
研究の背景なども紹介されていて、大変興味深いので、ぜひ、みなさん読んでみてください。
↓↓
東京工業大学:東京工業大学ニュース「オートファジー-ノーベル賞を受賞した大隅栄誉教授の研究とは」
https://www.titech.ac.jp/news/2016/036467.html
ノーベル生理学・医学賞2016 特設ページ