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岐阜大学 ライフサイエンスリサーチセンター
抗酸化研究部門

岐阜大学 ライフサイエンスリサーチセンター 抗酸化研究部門

身体のサビを防げば、不老不死が目指せるのか?

2018.07.16

 

 

今や健康・美容の世界では、当たり前のように「抗酸化」という言葉が使われていますが、どういう意味かご存じですか? 

ざっくり言えば、体、つまり体細胞を酸化させない=サビつかせないということ。

 

体の酸化って、細胞が鉄みたいにサビちゃうの?と思ってしまったあなた、そう思ってもらってOKです。体が老化していくということは、鉄が古くなってサビてボロボロになってしまうのと、よく似ています。

 

つまり「抗酸化」とは、体細胞が酸化してしまうことに抗う(あらがう)ことであり、イコール体の老化を防ぐということなのです。

 

同じ年齢でも老けて見える人とそうでない人がいますね。つまり老化のスピードには個人差がある。この大きな要因のひとつが、体をサビつかせやすい(=酸化させやすい)食生活や生活習慣をしているかどうか。

その代表的なものが、たばこお酒というわけです。人は、吸ったたばこの本数や過度の飲酒の回数だけ、自分の体細胞を酸化=老化させているのです。

 

さて、ここまでおさえておいて違う視点から考えてみましょう。もし老化を防ぐことができたらどうなるか? もし万が一、老化を100%防げたら? そう、不老不死です。

 

 

紀元前の昔、不老不死を追い求めた秦の始皇帝は、不老不死の薬だと思って水銀を飲み、水銀中毒で死んでしまいましたが、テクノロジーの発達した現代にも不老不死を研究している研究者はいます。現代ですから、もちろん科学的な研究です。

 

不老不死を熱心に研究しているアメリカのオーブリー・デグレー博士は、不老不死の条件を7つあげています。

曰く

 

1.がんをもたらす核染色体の突然変異をなくす(がんの防止)

2.ミトコンドリアの突然変異をなくす(細胞のなかでエネルギーが作られなく

  なるのを防ぐ)

3.細胞内のゴミを少なくする(循環器系の病気を防ぐ)

4.細胞外のゴミを少なくする(ボケの原因になるアルツハイマー病を防ぐ)

5.細胞外の架橋形成を維持する(体の弾力性を維持する、シワや高血圧を防ぐ)

6.死ぬべきなのに死なない細胞を減らす(心不全を防ぐ)

7.細胞の死(アポトーシス)を防ぐ

 

上記の7つ。

いずれも、本当にそれを防ぐことができたら老化しなくなる、イコール不老不死が実現できるだろうと思える説得力のある条件です。

 

そしてここがキモなのですが、7つの条件すべてが体の酸化と関係があります。つまりこの7つの条件を防ぐどころか逆に促進するような生き方をすれば、老化が加速度的に進むのです。不老不死の研究を通じて、早く老いる条件も明確になってきたわけです。不老不死は無理でも、早く老いるのは防ぎたいのが人情ですよね。

 

つまり「抗酸化」は、お肌を少しキレイにしたり、疲れを翌日に持ち越さないだけのものではありません。お肌をキレイにし、疲れにくい体にしてくれる先にあるのは、健康寿命の延長であり、その到達点は不老不死なんです。

 

デグレー博士の言う不老不死を達成するために防ぐべき7つの条件は、現代のテクノロジーでもまだ実現できていませんが、少なくとも現代、寿命を縮める条件のほうははっきりわかっています。体細胞の酸化です。このことはしっかり頭にいれておいたほうがいいですね。

 

ただし、もうひとつ絶対に忘れてはいけない大事な条件があります。水銀を不老不死の薬と思って飲んで死んでしまった秦の始皇帝と同じ轍を踏まないようにすることです。

 

そのためには、どうしたらいいか? 

「抗酸化」の効果が科学的にきちんと立証されているモノ・コトを選ぶことです。食生活でも生活習慣でもサプリメントでも、単なる噂や俗説、誇大広告に騙されないで、科学的エビデンス(医学的根拠)のあるモノ・コトを選択してください。そうすれば、必ず健康寿命を長くしていくことができるでしょう。