お酒を飲み過ぎてしまった翌日の二日酔い、経験のある方も多いのではないかと思います。
頭は痛いし、喉は乾くし、胸焼けがして食欲もわかないし、仕事も手に付かない、二日酔いって本当に嫌ですよね。
こういった症状の原因となっているのは、アセトアルデヒドという毒物です。これは体内でアルコールを分解するときに出来てしまう厄介者なのでしたね。
それに関してのお話は『アルコールとアセトアルデヒドの分解』(https://antioxidantres.jp/column016/)というトピックで詳しく説明してありますので、ご参考になさってください。
さて、このアセトアルデヒドの分解を促進してくれるような食べ物はあるのでしょうか?
そんな都合の良い食べ物が、あるのです。
それは「炭水化物」です。どうして炭水化物がアセトアルデヒドの分解に役立つのかをこれから説明します。
私たちの体には約60億個の細胞があるのですが、その全ての細胞にミトコンドリアという小さな器官(小器官)があります。ミトコンドリアは私たちが生きてく上で必要なエネルギーを作ったり、実にさまざまな仕事をしています。
このミトコンドリアがアルコールの分解にも大きな役割を果たすのです。
お酒を飲んだとき、アルコールは胃や小腸で吸収され、血液中に入って肝臓まで運ばれます。そして、肝臓内のミトコンドリアで分解されます。
このアルコールの分解の第一段階で毒物であるアセトアルデヒドが生じます。このアセトアルデヒドも次の段階で肝臓内のミトコンドリアで更に無害な酢酸へと分解されます。ミトコンドリアがこういった分解をする際にエネルギーが必要になってくるのですが、そのエネルギーはミトコンドリア内部のTCAサイクル(TCA回路、クエン酸回路)というところで作られます。
このTCAサイクルのエネルギー源がグルコース、つまり炭水化物が分解されてできた糖類なのです。ですから、炭水化物を摂取していただくと、ミトコンドリアが働くためのエネルギーが補われて、アセトアルデヒドの代謝が早くなるということになります。
お酒を飲んだ後、締めのラーメンを食べたくなるという方は結構いらっしゃるかと思います。
これはお酒を飲み過ぎて、一生懸命ミトコンドリアがアセトアルデヒドの代謝をやっていると、代謝に必要なエネルギー源としてグルコースを使うため、血液中のグルコースが減ってきてしまうんですね。つまり低血糖状態になっていると考えてください。
そうすると、自然に炭水化物欲しいなと思っちゃうわけです。ですから、締めのラーメンが欲しくなるのは、自然の摂理ということになります。
お酒を飲むときに炭水化物を一緒に摂取すれば、アセトアルデヒドの分解は促進されます。ただ、他のトピックでもお話しましたようにお酒と一緒に糖質を摂取すると、普段よりも脂肪になりやすいというデメリットもありますし、アルコールの食欲増進効果により、ついつい食べ過ぎてしまったりするので、お酒はほどほどにしておくのが体にはいいかと思います。