2019.06.02
脳の老化とは?脳細胞は増えることはあるのでしょうか?
身体が老化していくにつれ、脳も脳細胞ももちろん老化していきます。以前、脳細胞は新しくできることはない。と言われていた時期があります。しかし、今は新生神経細胞と呼ばれる新しく生まれる神経細胞というものが分かってきています。
今回は脳の老化、脳細胞と酸化ストレスについて解説します。
私達、人間の身体は何十兆個もの細胞からできています。そして、身体の中では日々新しい細胞が生まれ、古い細胞が消えることで細胞自体が入れ替わっています。新陳代謝ともいわれており、臓器などによって入れ替わりの期間は異なりますが、とにかく頻繁に身体は新しい細胞を作り古い細胞と入れ替わっているのです。
脳に関しては、例えば「新生神経細胞」という新しく生まれる神経細胞があります。
例えば、若い20代のうちは新しくできる細胞は多いのですが、60代、70代になってくると新しくできる細胞はその3分の2程度に減ってきます。
新しい細胞を作る新陳代謝の能力は年を取るにつれて低下してくるのです。
新陳代謝の能力が低下すると新しく生まれる細胞が減り、身体には古い細胞が増えていくことになります。しかし古い細胞は死んでしまいます。
死んでしまった細胞を生き返らせるということは、今現在はできません。
しかし、身体のサビ、酸化ストレスを抑えることによって、毎日できる神経細胞の数が若い時と同じように維持できるというデータが動物実験で出ています。
参考 「酸化ストレスを下げれば、細胞は生き返る?」https://antioxidantres.jp/column039/
この参考サイトで紹介しているのは、マウスの海馬歯状回という脳の奥にある部分の新生神経細胞数のデータです。
人間の20歳に相当する6週齢のマウスと人間の60歳から70歳に相当する56週齢のマウスと、その56週齢のマウスに抗酸化剤を与え日々の酸化ストレスを下げた場合の新生神経細胞数を比べています。
この場合、酸化ストレスを下げた場合のマウスの新生神経細胞数は6週齢のマウスより少しですが多いというデータが出ています。
このように脳の老化については新しくできる神経細胞がゼロになるのではなくて、新しくできる神経細胞を維持することがアンチエイジングの観点から考えても、非常に重要なことだと思っています。
酸化ストレスを抑えることは、アンチエイジングに効果があります。死んでしまった細胞は生き返らせることはできませんが、今ある細胞のダメージを減らしたり、新しく細胞を作る能力を維持することができます。また、酸化ストレスは様々な疾患と関連しているため、身体の抗酸化力を上げることで病気の予防や健康長寿につながるのです。