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岐阜大学 ライフサイエンスリサーチセンター
抗酸化研究部門

岐阜大学 ライフサイエンスリサーチセンター 抗酸化研究部門

酸化ストレスを下げれば、細胞は生き返る?

2018.05.25

酸化ストレスを下げることで弱ってしまった細胞を若返らせたり、死んでしまった細胞を生き返らせることはできるのかということについて考えてみましょう。

 

酸化ストレスとは体をサビつかせてしまう力のことです。つまり、酸化ストレスを下げることによって老化の原因である体がサビつくことを防ぎ、アンチエイジングにつながるとも言えます。

 

 

 酸化ストレスは日常の習慣などで、気づかない内に上がってしまうことがあります。例えば、過度の飲酒・喫煙・食べ過ぎ・排気ガスなどいかにも体に悪そうなものから紫外線といった日常生活で避けがたいものまでもが酸化ストレスが上がる原因になります。他にも放射線・精神的ストレス・運動不足・過度の運動なども酸化ストレスを高めると言われています。

 

酸化ストレスを下げることがアンチエイジングにつながる?

 

私たちの体は日々、酸化ストレスのリスクに晒されているのです。酸化ストレスを下げることで細胞にどのような影響が出るかのマウス実験の結果についてお話させてください。

 

マウスの脳を使って酸化ストレスと細胞の関係についての実験を行いました。脳の奥の方には海馬歯状回という重要な部位があります。

 

そこでは毎日新しい脳の神経細胞が作られています。その神経細胞のことを新生神経細胞と言いますが、どのくらいの新生神経細胞があるかと言いますと、人間の20歳に相当する6週齢のマウスの場合は、ひとつの顕微鏡で見た視野に30個程度の新しい神経細胞が確認できます。

 

Twendee X(トゥエンディエックス)投与による海馬歯状回の新生神経細胞数の変化

 

マウスを56週齢まで飼育して、人間の60歳から70歳に相当する状態にしますと、生産される新生神経細胞が3分の2程に減ってしまっているのです。

 

長い期間、酸化ストレスに晒されて細胞が傷ついていった結果が老化なわけなのですから、老化した体の酸化ストレスは若い頃に比べると高い状態になっています。そして、酸化ストレスで細胞が傷ついたり死んでいる状態では、新しい神経細胞を作る能力が低下してしまうのはマウス実験の結果からもわかるように当然のことなのです。

 

そこで、27週齢のマウスに酸化ストレスを下げる働きのある「TwendeeX(トゥエンディエックス)」という開発配合物を約30週間飲ませ続けて56週齢まで飼育しました。

 

この開発配合物を与え続けられた56週齢のマウスの海馬歯状回の新生神経細胞の数を調べましたところ、6週齢のマウスよりも少し多いという驚異的な結果が得られました。酸化ストレスを下げることで、新しく作られる神経細胞の数を維持できたと考えられます。

 

人間の体には約60兆個の細胞があり、全身のあらゆる部位で日々新しい細胞が作られ、死んだ細胞と入れ替わっていっています。これを新陳代謝と言います。

 

この新しい細胞を作る新陳代謝の能力は年を取るにつれて低下していきますが、マウスの実験のように酸化ストレスを下げることで新陳代謝の能力が若い頃と同等である状態を維持できたと考えられます。

 

最後に

結論になりますが、死んでしまった細胞を生き返らせることはできません。

しかし、先ほどの実験の結果からもわかりますように、酸化ストレスを下げることで酸化ストレスによるダメージを受ける細胞を守ることができます。

酸化ストレスを下げるためには、適度な運動を心掛けたり、飲酒や喫煙を控えたり、日焼けを防いだり、抗酸化効果のある果物やナッツ類などの食品やサプリメントを効率的に摂取することが有用です。

細胞を酸化ストレスから守ることでアンチエイジングの効果も期待できるでしょう。