ストレス社会といわれる現代社会、たくさんの人がストレスを抱えて生活しているといわれています。仕事のプレッシャー、テストの点数、人間関係、将来の不安などからストレスがかかり、過度なストレスで体調を崩すという方も増えてきています。
そもそも「ストレス」とは何でしょうか?ストレスの原因の解説として下記があります。
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◎ストレスの原因
そもそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。つまり、日常の中で起こる様々な変化=刺激が、ストレスの原因になるのです。進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事も変化=刺激ですから、実はストレスの原因になります。
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厚生労働省:知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス総合サイトより
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html
日常生活で起こる変化=刺激がストレスの原因とされています。変化自体が刺激となってストレスの原因になるのですから、悪いことだけではなく、良いことも刺激となってストレスの原因になるのです。
刺激がストレスの原因になりますが「精神的なストレスが起こった時、脳にどのような変化が起こるか?」という論文があります。
それによると精神的なストレスが生じた時には、脳の中に炎症物質と酸化ストレス物質が増えてくるというのです。
酸化ストレスは体をサビさせる原因ですので、酸化ストレス物質が脳で増えてきますと脳へ負担がかかってくると考えてください。
精神的なストレスが起こると、脳に酸化ストレス物質が増えるということは、精神的なストレスが上がる=酸化ストレスが上がるということになります。
酸化ストレスが上がった状態というのは当然老化しやすい状態と言えます。
私達人間というのは、赤ちゃんで「オギャー」と生まれた直後が最も酸化ストレスが低い状態です。20代まではかなり低いレベルですが、30代からはどんどん体内の酸化ストレスの数値が上がってきます。つまり老化とともに体内の酸化ストレスの数値は上がっていくのです。
過度の心理的なストレスは酸化ストレスを上げるため、老化を進めることにつながると考えてください。
精神的なストレスがかかると酸化ストレスが上がります。そして酸化ストレスが上がることは、老化につながったり様々な疾患の原因になります。健康長寿を目指すためには酸化ストレスを抑える生活が大切ですね。
とはいえ、多くの人が精神的なストレスを抱えながら日常生活を送っています。なかなか毎日をノンストレスで過ごすことは難しいですが、酸化ストレスをきちんと理解していただき、病気の予防や健康な生活に役立てていただければと思います。
岐阜大学 科学研究基盤センター 共同研究講座 抗酸化研究部門では、酸化ストレスの研究を行いエビデンスがたまったものについては、こちらでお知らせしています。ぜひ参考にしてください。
「酸化ストレス」って何ですか?
https://antioxidantres.jp/column009/
どんな生活習慣が酸化ストレスの原因になるのか?
https://antioxidantres.jp/column028/
酸化ストレスが身体の中で増えるとどうなるのか?