髙畑耳鼻咽喉科医院【神奈川県横浜市】の事例:『年のせい』『薬では治らない』は、もう終わりに。治療から予防へ導く耳鼻咽喉科の挑戦

髙畑耳鼻咽喉科医院 院長
髙畑喜臣 先生

髙畑喜臣先生

薬を飲んでもなかなか治らない症状や、「年のせい」と諦めていた体の不調に悩んでいませんか。

横浜市で祖父の代から三代続く髙畑耳鼻咽喉科医院は、薬だけに頼らず、丁寧な処置を重視する治療で知られています。患者さん一人ひとりと向き合い、症状の原因を「言語化」して伝えることを大切にされています。

今回は院長の髙畑喜臣先生に、父から受け継いだ治療の強みと、患者さんの未来を見据えた予防医療への思いについて詳しく伺いました。

 

「薬に頼らない治療」の原点とは。昔ながらの処置を現代の強みに変えた理由

―開業の背景を教えてください。

髙畑先生:このクリニックは祖父が昭和34年に横浜で開業したのが始まりなんです。当時は有床で、手術も行っていたと聞いています。

さらにさかのぼると、祖父の父―つまり私の曾祖父は、現在山下公園に停泊している“氷川丸”の船長を務めていたそうです。横浜という地で、医療や海と深く関わってきた家族の歴史を振り返ると、自分が今ここで診療していることに、不思議な縁を感じますね。

正直に言うと、最初から“後を継いで医師になろう”とか、強い志があったわけではないんです。私が高校を卒業した2001年当時は就職氷河期で、資格を持っていないと将来が厳しいと感じていました。そこで“資格のある仕事”として医学部を選んだ、というのがきっかけでした。

そのような理由なので最初から耳鼻咽喉科医になろうと考えていたわけではありません。むしろ内科系を志望していて、そのつもりで研修病院も選んだくらいなんです。ただ研修医の時に耳鼻咽喉科をまわった際、担当してくださった上司の先生がとても親身に指導してくださって、毎日が本当に楽しかったんです。その経験が大きな原点ですね。さらに、仲の良い同期も耳鼻咽喉科を志望していたことや、父から“後を継いでほしい”という思いも後押しになりました。実は、耳鼻咽喉科という学問自体を深く研究して選んだわけではなく、“一番楽しく過ごせた科”だったからこそ決めた、というのが正直なところなんです。

でも、いざ専門でやってみたら、耳鼻咽喉科はものすごく面白かったんです。耳・鼻・喉と扱う範囲が広くて、手術も精密機械のような繊細な耳の手術から、ダイナミックな頭頚部手術まで多岐にわたります。多種多様の病気を扱うためマイナー科の中ではかなり守備範囲が広くて、科としての器の大きさに惹かれていきました。ご縁があったんだなと感じています。

―院長として、どんな診療を目指したのですか?

2019年に父のクリニックに戻り、2021年には院長として跡を継ぐことになりました。父の代からクリニックはとても繁盛していたのですが、同時に大きな課題も感じたんです。

一つはサービス面です。患者さんの数は多いのに、予約体制などの整備が追いついておらず、その結果“待ち時間が長い”のが常態化していました。すると、例えば定期的な通院が必要な中耳炎のお子さんを持つお母さんなどが通院をやめてしまうケースが少なくなかったんです。

どれだけ良い治療を提案しても、これでは患者さんに届かない。いくら頑張って説明しても、その場限りになってしまい、数年後にまた同じ悩みで来院される……。そうした状況を目の当たりにして、“自分が本当にやりたいことは何だろう”と深く考えるようになりました。

行き着いた答えは、“治療だけでなく、あらゆる場面で患者さんの目線に立つこと”でした。もし自分が患者だったら、せっかく時間を割いて来院するのに、ただ診察を受けて終わりでは物足りないと思うんです。“なぜこうなったのか”“今後どうすれば治せるのか”をきちんと知識として共有してもらいたいし、自分の生活と治療をどう擦り合わせていけるのかも知りたい。そうすれば、定期的な受診を提案されても納得感が生まれるはずです。

そのような想いを大切に、治療法は私が押しつけるのではなく、患者さんとしっかり相談し、納得していただける方法を共に選んでいきたいと考えるようになりました。

幸い、父がやってきた治療は、根源的なものにアプローチする質の高い治療でした。だから、それを患者さんに「言語化」して、きちんと伝えることが私の役目だと考えたんです。院長になってからはホームページを全面的に作り直し、私たちの治療方針や考え方を、納得してもらえるように発信していくことに力を入れています。

―診療を変えていく一方で、大切にしていることはありますか?

もちろん、新しい取り組みをするだけでなく、これまで地域の方の健康を支えてきた治療を続けていくことも大事にしています。

父の代から行ってきた当院の治療は、正直に言えばとても“アナログ”なんです。たとえば鼻水を機械で吸ったり、喉にネブライザーで煙を当てたりする処置。今の時代、そうした処置はパフォーマンスのように見られたり、教科書に“繰り返すことで治療効果がある”と明記されているわけでもありません。

そのため、処置はあまり行わず、薬の処方だけで済ませてしまうクリニックも少なくありません。でも、私自身はこうしたアナログな治療にも意味があり、地域の方々の健康を守ってきた大切な医療だと思っているんです。

実際私がクリニックを継いで、この父が続けてきた処置を改めて実践してみると、その効果をはっきりと実感しました。処置を丁寧に行うことを繰り返していくことで、治療のスピードが全然違うんです。大学病院で「もう治らない」「我慢するしかない」と言われたり、場合によってはメンタル的な問題だと扱われてしまったような方でも、こういうアナログな処置を根気強く続けることで、症状が改善していくケースを何度も見てきました。

昔は良い薬が少なかったから、ひたすら処置を繰り返すしかなかった。今は薬が溢れていますが、その反面薬で治らない人は「もうやることがない」と見放されてしまいがちです。でも実は、そういった方にこそ、この原点に帰ったような処置が効果を発揮することがあるんです。切れ味は悪くても、ちゃんと治っていく。これが、うちのクリニックが引き継いできた一番の強みだと考えています。ホームページで「薬に頼らない治療」と謳っているのは、まさにこの部分を伝えたいからです。

―どのような患者さんがいらっしゃるのでしょうか?

当院に来られる患者さんは、地域柄もありご高齢の方とお子さんが特に多いですね。ご高齢の方は、耳や鼻、喉の「メンテナンス」のために通ってくださいます。人間の身体のパーツは70歳くらいからどうしても機能が落ちてくるものですが、そこをしっかりケアしています。

鼻から喉にかけての筋肉や粘膜が弱くなると、食べ物が飲み込みにくくなったり、夜中に鼻水や痰が喉にたまって目が覚めてしまったりすることがあります。そうした場合に行うのが、鼻処置やネブライザーによる治療を繰り返すことです。粘膜の動きを改善してあげることで、食事がスムーズになったり、夜ぐっすり眠れるようになったりするんです。

―患者さんから特に希望が多い治療はありますか?

当院で希望される方が多いのが“通気治療”です。耳と鼻をつなぐ耳管の働きが弱くなると、“耳が詰まった感じがする”と訴える方がいます。そのときに行うのが、空気を耳管に送り込んで通りをよくする治療です。最近ではあまり行うクリニックは少なくなっていますが、当院では大切に続けています。他の病院で“加齢だから仕方ない”“精神的なものでは”と説明されていた方が、この治療で楽になるケースも少なくありません。患者さんにとっては大きな安心につながる治療だと思っています。

耳鼻咽喉科は、五感のうち「嗅覚」「聴覚」「味覚」という3つを司る、非常に重要な科です。せっかく生きているのなら、これらの感覚をしっかり楽しんでほしい。私たちは、その手助けをするのが役目だと思っています。他のクリニックで「何ともない」と言われて困っている方に、次にどうすれば良いか、生活の質を上げるための具体的な提案をすること。それが、私たちの診療方針であり、強みだと考えています。

 

治療から「予防」へ。身体の“サビ”に着目した「酸化ストレス」という新たな視点

―薬に頼らない治療というと、他にどんなお考えを取り入れられているのでしょうか?

髙畑先生:クリニックの経営を学ぶ勉強会に参加したことがきっかけで、「予防医療」という考え方に出会いました。これからの時代、病気を治すだけでなく、病気にならないように予防していくことが、患者さんのためにも、そしてクリニックの将来のためにも重要になると強く共感しました。

その中で、Twendee Xを知ったんです。導入する直接のきっかけは、コロナ後遺症の嗅覚障害に悩む患者さんでした。コロナ後遺症への投薬や処置での治療法はありますが、それでも治らない方は大勢いらっしゃった。そういう方々に対して、何かもう一つ、新しい選択肢を提案してあげたいとずっと思っていたんです。

もちろん、自費診療のサプリメントとなると、抵抗感を示す方も少なくありません。ですが、コロナ後遺症に関しては、まだ分からないことも多く、患者さんの不安が非常に強かった。だからこそ、「やれることは全部試したい」という方に、一つの選択肢としてこのサプリメントを提案し始めました。

「予防」という観点で言うと、患者さんが最初から「予防したい」と言って来院されることはほとんどありません。皆さん、何かしらのトラブルを抱えていらっしゃいますから。

ですが、治療が終わった後に「再発しないようにメンテナンスを続けたい」とおっしゃる方は非常に多いんです。当院が続けている通気治療なども、一度良くなっても、また元に戻らないように定期的に通われる方が圧倒的に多い。割合で言えば、5割か6割くらいはいるんじゃないでしょうか。これって、考え方としてはもう「予防」ですよね。ですから、患者さんの中に予防医療へのニーズは確実に、そしてかなり高いレベルであると実感しています。

―酸化ストレスについて、普段患者さんに説明されることはありますか?

最近、突発性難聴やコロナ後遺症の原因として「酸化ストレス」が関係していることを学びました。ですから、患者さんから「なぜこの病気になるんですか?」と聞かれた際には、この「酸化」の話をすることもあります。「身体が酸化すること、つまりサビることが、いろいろな病気の引き金になる。だから、その酸化を抑えることが、将来の病気予防につながっていくんですよ」という形ですね。

今後は、こうした情報を患者さんにもっと分かりやすく伝えていきたいですね。ただ薬を出す、治療をする、というだけでなく、患者さん一人ひとりが自分の健康について考え、予防していく意識を持てるように手助けをしていく。それが、これからのクリニックが果たすべき役割だと思っています。

 

おわりに

祖父の代から続く丁寧な処置を大切に守りながら、その意味と価値を患者に「言語化」して届ける髙畑先生。その真摯な姿勢が、薬だけでは改善しなかった多くの患者にとっての希望となっています。先生が新たに着目する「酸化ストレス」へのアプローチは、治療の選択肢を広げるだけでなく、病気にならないための「予防」という新たな視点を提供してくれます。身体の「サビ」を防ぐという考え方が、患者さん一人ひとりの未来の健康を守るための重要なポイントとなるかもしれません。

髙畑耳鼻咽喉科医院

髙畑耳鼻咽喉科医院
〒246-0022 神奈川県横浜市瀬谷区三ツ境1番地
https://takahata-ent.jp/

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