2020.05.15
新型コロナウイルスの陽性反応・再陽性化について
通常、ウイルス感染が起こると免疫ができます。そうしますと同じウイルスにはかからないことが多いのです。ですから今回のコロナウイルス感染も一度感染して免疫ができると二度目三度目は感染しないと考えます。しかし今回のようにウイルスがいったん陰性になってもまた出てくるというケースがあります。これは基本的に喉や鼻の粘膜からウイルスの量が減って検出されないだけで組織の中には残っていると考えられます。
そして消化管の中では長い場合には4週間以上もウイルスが存在しているということが報道されていますので一瞬治ったように見えるのですがまた体調が不良になってくるとまた出てくるということで同じウイルスが身体の中に潜んでいる可能性が高いと考えられます。
まず大阪の看護師さんのケースで言うとこの方は感染者を看る病棟で働いておられた、つまり患者さんは全員感染しておられるんですね。そしてどこかで感染されて陽性が夜に分かった、そしてこの方は次の日の朝まで当直勤務だったわけです。皆さんご存知のようにダイヤモンドプリンセス号で700名の感染者が出たのですが、8割は無症状でございました。ということはこの看護師さんが感染されて症状がなったので継続勤務されたのではないかと考えられるのですが、感染者しか預かっていない病棟と今は医療従事者が非常に足らないという状況であればこれは仕方がなかったのかな、というふうに考えて良いかなと思います。
そしてウイルスの突然変異というのは今のところ報告を日本ではされていませんので、患者さんと医療従事者とが感染を再度させ合うということは今のところ報告はないと考えています。
※当動画・テキストで公開している内容は、岐阜大学 抗酸化研究部門 特任教授 犬房春彦の個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません