2020年5月15日 元外科医の抗酸化研究者が、新型コロナ、免疫、抗体、治療薬、エセ科学など疑問・質問になんでも直接答えます
2020.06.30
動画内容をテキストで読みたい方はコチラ↓↓
コジマ:元外科医の抗酸化研究者が、新型コロナ、免疫、抗体、治療薬、エセ科学など疑問・質問になんでも直接答えますというタイトルで配信して参ります。お答えいただきますのは岐阜大学の特任教授犬房春彦先生です。よろしくお願いいたします。
犬房:よろしくお願いします。
コジマ:先生、ちょうど昨日のタイミングで政府が緊急事態宣言を39の県で解除するという風に発表がありましたが結構このチャンネルをご覧になっているみなさんも今後どういう風に私達は生活をしていけばいいのか、まだまだウイルスが完全にはなくなっていない状況でどう対応していけばいいのかと思っている方が多いと思うんですけれども先生は今後どういう風に気を付けて生活していったら良いとお考えでしょうか?
犬房:基本的にはクラスターが起きた状況というのは皆さんご存知だと思うんですね。例えば飲食店であったりライブハウスであったりあと病院内感染と言うのが今問題になっていると思うんですがやはりそれが起こった場所は正しく恐れると言いますかね、気を付けていただきたいなと思うんですが、それ以外は例えば山手線の電車の中ではこれは起こっていないんですね。
例えば2月中だと満員電車がいっぱい走ってた状況なんです。そういう場所でもマスクをしてしゃべっていなかったら感染しないんだろうなという風に思うのでそういう所はそんなに気にしなくてもいいのかなと、ただ自分を守るという意味で人に感染をさせないという意味でマスクは有効だと思っています。
コジマ:はい。また引き続きマスクや手洗いなど基本的な感染防御は続けていってというところが大事になりますかね。
今日もみなさんからコメント欄にコメントをいただければ随時お答えしていきますね。この前回の配信の時にいただいていたコメントでまだお答えしきれていなかったものもありますので、今日はまずそちらからご紹介していきたいと思います。
先生ではまずはこちらの質問からいきたいと思いますが、「犬房教授がご自身のSNSでおっしゃられていた高齢者、基礎疾患持ちの方以外は大げさに恐れる必要はないというイタリアからのエビデンスについて説明していただけると嬉しいです。」とこういったコメントがきております。
犬房:はい。これはイタリアからの報道が入ってきた時に亡くなっている方の98%、99%くらいが基礎疾患があって高齢者だという報道だったんですね。ですから高齢者で基礎疾患がないという風に言われているものがあるじゃないですか。そういう方たちは非常に少ないんだということなのです。
それで日本でも亡くなっている方の平均年齢というのが出ているんですけれどもそれを見ていただくと、やはり若い方というのは少ない、若くても不幸にもお亡くなりになられている方もおられるのですがやはり重度の肥満があったり基礎疾患があったり喫煙者であるという方なんですね。そういう意味では若くて健康で基礎疾患が絶対にないという方は心配しなくていいだろうという風に考えています。
あとそれとですね、基礎疾患がないのに亡くなったという報道があるのですが基礎疾患があっても知らない人というのがいっぱいいるのです。特に海外は保険に入っていない人も多いので、ですからそういう意味で本当に基礎疾患がなくて若い方がどんどん亡くなっているかというとそうではないので、みなさんが全員恐れる必要はないとこういう意味なんですね。
コジマ:なるほど。確かに基礎疾患があるかどうか分からないという方もないという風に見られてしまっているケースがあり得ますものね。はい。分かりました。
先生では次々質問がきておりますので、こちらもお読みいたしますね。
「新型コロナは間質性肺炎を発症すると発信されていましたが、その時から気になっていたのですが例えばヘルペスウイルスのようにウイルスが身体の中に常在するようになり免疫が落ちた時に再発する可能性もありますよね?ヘルペスと同じように免疫が下がって何度も間質性肺炎を引き起こしているうちに数年後、数十年後に肺線維症に移行することはないのでしょうか?現在臨床の肺線維症にはアスベスト関連による肺線維症または肺がんというものがありますが同じように今は軽症や中等症で治った方でも数十年後にCOVID19による肺線維症になるという可能性はないのでしょうか?」というご質問です。
犬房:現時点ではCOVID19は身体の中にいくら長くいても4週間から6週間あれば消えるという風に言われています。そして抗体ができているんですね。基本的に抗体ができていると同じウイルスには二度かからないのですがこれがインフルエンザのように突然変異というか変異型になると感染する可能性は出てきます。
そしてウイルスの中で身体の中に非常に長く滞在するウイルスというのはあるんですね。みなさんご存知のようにB型肝炎、C型肝炎、それからAIDSなんかもそうなのですが、こういうウイルスに関していえば抗体ができないのです。だからそういう意味では何度も同じCOVIDに感染して肺線維症になるかというと今のところはならないのではないかと私は考えています。
コジマ:はい。そういった何度も再発を繰り返すようなウイルスとCOVID19はちょっと別物ですよということですね。はい、わかりました。ありがとうございます。
それからこのコロナウイルス以外のご質問も色々いただいています。お読みしたいと思います。アセトアルデヒドに関するご質問なんですけれども「人間なら悪酔いして頭が痛くなるほどのアセトアルデヒドを肝臓が解毒していますよね。タバコで頭が痛くなるほどの濃度になっただとか頭が痛いと聞いたことがないのですがこれはどういうことですか?」タバコに関するアセトアルデヒドについてのご質問です。
犬房:紙巻きたばこを吸うと唾液の中にアルコールと同じ毒物のアセトアルデヒドが出てくるのです。それが身体、全身をサビさせて色んな所にがんができるというものなのです。ですが濃度はそんなに高くないのですがタバコをずっと吸っているとその低濃度のアセトアルデヒドをずーっとずーっと身体の中に生まれてくる、これが健康によろしくないわけです。
稀になんですがタバコを吸って頭痛とか気分が悪くなるという人もおられましてたぶんなんですがそういう人はアセトアルデヒドの代謝能力低い人ですね。いわゆるビールをコップ一杯飲んだらもう真っ赤になっちゃうような人達はタバコのアセトアルデヒドでも気分が悪くなると考えます。
コジマ:なるほど。そうすると低濃度であったとしても決して油断することはできないと考えた方がいいでしょうか?
犬房:そうですね。ですからずっとタバコを吸っているという状況が悪いので、毎日20本40本とかタバコを吸っている人はずーっと毒物を飲んでいる状況ですね。
コジマ:はい。わかりました。やはりCOVID19新型コロナウイルスの重症化リスクにも喫煙者というのが入っているかと思うのですがこれはみなさん有名な話で一般の方もご存知かと思いますが、やはり先生も禁煙を勧められますか?
犬房:日本人の死亡原因の10%はタバコと言われています。ですからタバコがもし無くなったら死ぬ人が1割減る、そう考えると莫大な医療費と人の命を、寿命を縮めているのはタバコと言えますので禁煙をお勧めします。
コジマ:はい、ありがとうございます。それからですね消毒に関するご質問を色々いただいています。今結構ドラッグストアなのでアルコールが手に入らないという方が多いんですね。「次亜塩素酸水を代わりに使ってはダメですか?」というコメントがきています。この点について教えていただけますでしょうか?
犬房:次亜塩素酸水は消毒滅菌とかによく使われるものが販売されているのですが、アルコールと遜色はありませんし、アルコールのように手が荒れるとかいうことはありません。それからアセトアルデヒドに弱い人、アルコールが一滴も飲めない人はアルコールで手を消毒した途端に真っ赤に腫れあがるんですね。そういう人達は次亜塩素酸水を使うといいでしょう。
コジマ:そうなんですね。ではアルコールが手に入らない方はそういったものもうまく活用して消毒をしていけばいいということですね。
犬房:そうですね。
コジマ:はい、わかりました。先生、今日は先生の方でスライドを一枚ご用意いただいているということだそうなんですがそちらの話題にいってみようかと思います。
犬房:これは私の友人がスライドを送ってきてくれたのですが、こちらの画像です。
コジマ:みなさんもご覧になれますでしょうか。米国CDC集計の全死亡数というデータですね。
犬房:はい、そうです。これは米国の全ての死亡者を州ごとに集計したものなのです。そして一番左端が今年の2月から3月だけを抜き取っているんですね。それが右、濃いグリーンが昨年、それからブルーみたいなのが2年前、またその前ということで過去3年と比較した数字なのです。
米国は例えば現在のコロナ感染者の死亡者総数が今、85813人と先ほどネットで見たんですけれども、もしもこの数がいつもの年よりも更に新しく死亡している人が多いならば当然過去3年よりもかなり多くなきゃいけないんです。
この数値を見ますとこの2月からの集計を見ますと今年が1390万人、去年よりは多いのですが一昨年の数字と見ると1408万人なんですね。
つまりどういうことかと言うと、これで異常に死亡者数がすごく増えているんだという風に見えないわけなんですね。ですからそういう意味でこれは最終的には統計が出るんでしょうけれどもコロナ感染が死因とされている中では他の病気で非常に死期が近かった人がたくさん含まれていると考えると基本的には全死亡者数はあまり増えていない。という風にもみることができるんですね。
だから異常に今年が増えているという風にはみえないように思うと、これは友人がそう言ってきたんですけれども一応そういうデータでございます。
コジマ:はい。大変興味深いデータです。どうしても報道されている数字というのが新型コロナウイルスで亡くなった方というのが国内の数字も海外の数字も出てきますので、どうしてもそこに目がいきますけれどもたった一つの疾患でこれほどの方が亡くなったんだというインパクトを私達に与えますけれども、例年の年はどうだったんだと改めてみておく必要がありそうですね。
犬房:そうですね。幸い日本の場合は死亡者数が、米国と二桁くらい違いますので医療崩壊も起こると言われていたのですがごく一部の医療機関ではかなり大変なことが起こっているのですがそれはやはり軽症者の方が病院に行くことだったり、それからこういう話をするとアレなんですが、例えば80歳、90歳超えておられる方でがんの末期の方にみなさんに人工呼吸器を付けて治療するかというと呼吸状態怪しくなった時にするかというとそれはやらないわけなんですね。
この年齢でもうがんだから苦痛が伸びるだけだから人工呼吸器は止めましょうと言うとみなさん大概納得していただけるんですね。家族の方もそうなんですが。
ところがこの今回のコロナはですね、コロナで90歳だから呼吸器使ってくれと、海外の報道でも100歳超えていた方が呼吸器を使って治ったんだとかの例が出ているんですが、基本的に100歳超えている人の平均寿命というのはどれだけ生きるかというのは物凄く短いわけです。他の病気だったらやらないことをやっているというのが現状でこれが海外の医療崩壊につながった理由の一つではないかと思っています。
コジマ:はい、私達も報道で出てくる数字やセンセーショナルな状況に惑わされず冷静にみておく必要があるなと私も先生のお話を伺って感じました。貴重なデータだったと思います。みなさんはいかが思われたでしょうか。
たくさんコメントをいただいています。どんどん観てくださっている方が増えておりまして今書いていただいたところからコメントをお読みしたいと思います。
「犬房教授、こんばんは。 質問なのですが、母が22年前に子宮内膜症による肺気胸を患いました。その時に3回手術したことにより、肺活量が標準の1/3くらいまで落ちているそうです。パルスオキシメーターの数値は95以下だそうです。これは新型コロナウイルス、および従来の肺炎のリスクとなる基礎疾患に当てはまるでしょうか? もし万が一感染してしまったらどういうような対処をすればよろしいでしょうか?」というご質問です。
犬房:肺活量が1/3ということはもう予備がないと考えてもらえばいいんですね。ということでもしも新型コロナウイルスに感染して肺炎が起きるともう必ず呼吸困難がすぐに出てきます。ですからその時にはすぐに医療機関を受診していただく、これがもう一番いいと思います。
コジマ:はい、これは新型コロナウイルスに限らずこういった方の場合は感染症で非常にリスクが高い方と考えて良さそうですよね。
犬房:そうですね。
コジマ:はい、そういった方の場合、現在中々日本ではPCR検査の数が少なくて自分が新型コロナウイルスということが中々分からないという状況があるかと思いますが、基礎疾患がある方はぜひ積極的に医療機関に問い合わせるなどしていただいた方がいいですよね。
犬房:はい。その通りです。
コジマ:はい、ありがとうございます。
たくさんコメントをいただいておりますが、今後どうやって生活していこうというところに皆さんの関心が集まっている、移動してきているように私は感じるんですけれども。
こちらをお読みしましょうか。
「ごく一般的に出回っているマスクをしていれば新型コロナウイルスに絶対掛からないのでしょうか?周囲のマスク絶対最強説みたいな風潮はどうかと日々感じています。」とマスクの効果というのはどれほどあるのかというご質問ですね。
犬房:先ほども言いましたけれども山手線でクラスターが起こってないんですね。ということは2月なんかも満員電車だったんですけれどもほとんどの方がマスクをして喋らない。でこれは一定の予防効果というのはあると思いますが、マスクをしていれば100%予防できるかというとそれはNOだと思います。
と言いますのはマスクは鼻と口だけを覆うんですね。例えば電車で誰かのそのウイルス入っている体液が付いている物を手に触ったそれを例えば目を触る、これで目から感染するんですね。というのが中国でも米国でもそうなんですが、眼科の先生がすごい感染を起こしているんですね。つまりマスクをしていても目から感染したんじゃないかという風に言われていましてそういう意味ではやはりマスク+手洗いというのが基本的に必要だと感じます。
コジマ:はい。マスクはここしか守れないですからね。それだけではなくて顔を触らないとかとにかく細目に手を洗うということが大事になりますね。
他の質問なんですがもしかしたら身内にがん患者の方がいつ方からかもしれないのですが、「がん患者はワクチンが出来るまで、家にこもった方がいいですか?」というご質問です。
犬房:がんが小さいうちは、がん細胞というは酸化ストレスを出すのですが、大きくなっていたり転移があるような方は酸化ストレスかなり高くなっているので基本的には自己隔離という表現をするのですが、感染の機会をできるだけ減らしていただいた方がいいと思います。
コジマ:はい。自己隔離ですね。なるべく自分の身を自分で守るような行動をとっていただくことが大事ですね。
それからですね、こちらは今中々運動が、ジムなどに行けていない方が多いと思うのですが「室内でする運動は窓を開ければ大丈夫でしょうか?」ということですが、これはきっとお一人でするのかそれとも家族がいたり、誰か周りにお仲間がいるのかそういった状況かどうかによっても対応が変わってくると思うんですが、先生運動するときの注意は何かありましたら教えてください。
犬房:今例えば、ジムなんかはほとんど閉まっちゃっているんで、そういう所で運動するという方は少ないと思うんですが基本的には2mの感覚を空けて換気をしている状態であれば運動は別に問題ないんじゃないかと思うんですけれどね。
コジマ:はい。ご自分のおうちでただお一人でやるということに関しては心配ないですよね・
犬房:全然問題ないですよね。
コジマ:もしどなたか他の方と一緒にやる場合は2mの間隔を空けて換気をよくしてということですね。
犬房:そうですね。
コジマ:はい、ありがとうございます。それからマスクに関するご質問なんですが「暑くなってきてマスクをしながら仕事をするのがしんどくなってきました。これからの季節でも必須でしょうか?」というご質問です。
犬房:仕事される環境次第なんですね。だからお隣りの方と2m以上離れているとかであればマスク必須とも思いませんし周りの方も喋らなければいいだけの話ですが、仕事場なので会話は必要かもしれませんが。まぁケースバイケースということでしょう。
コジマ:はい。分かりました。やはり周りの方との距離と会話をするかどうか、やはり飛沫が飛ぶかどうかということが非常に判断分かれ目ですね。
犬房:そうですね。
コジマ:はい。それからですね。「先生がお考えになる今後半年、一年ぐらいのコロナウイルスの見通しは?」すごくスケールの大きな質問ですが、みなさん確かに気になるところではありますよね。先生何かお考えや見えているものがありましたらぜひお聞かせください。
犬房:基本的に北半球の国、これはロシア除くなんですが、ロシアは今ものすごく感染者が増えているのはいわゆる入国制限をしていたんですがそれでも防ぎきれずに感染のピークが遅れたので今物凄く増えているという状況なんですが、ロシアを除いてほとんど3月末で感染者の数はピークアウトしてきて下がっています。
これは集団免疫なのかそれとも季節因子なのかつまり暖かくなったことですね。それを考えると季節因子の方があるのではないかなと、そういう意味では7月8月、暑い時期になるといわゆる湿度も上がりますしウイルスにとっては生きていきにくい状況なんですね。
そういう意味ではおそらく7月8月には相当減ると思います。
ただ第2波がいつくるかということなんですが、可能性としてはまた寒くなる11月12月というのはくる可能性があると思っています。
そしてインフルエンザの場合もそうなんですが第1波より第2波の方が強かったりとかですね、第3波が強かったというのが歴史的にはあるんですけれども、今の医療のレベルでいうと治療のノウハウとかですね予防のノウハウがどんどん蓄積されますので第2波がきても日本では大したことにはならないだろうと、海外は医療状況、衛生状況がかなり違いますので一概には言えないのですが、今から半年後というと11月なのですが7、8月でかなり減ると。
あとやはり寒くなると少し出てくるのかなという風に考えます。
コジマ:はい、わかりました。まだまだ見通しは新しいウイルスですから季節性でどのように変化するかというのは分からないところがありますね。油断ならないと考えておいた方が良さそうですね。
それからですね、たくさん質問をいただいております。先生のご専門が酸化ストレスですのでコロナウイルスだけではなく抗酸化についてもご質問がきています。
「先生、抗酸化というのを分かりやすく教えて欲しいです。仕事してると、ストレスと隣り合わせです。」という質問です。一般の方まだ馴染みがない分野かもしれませんので先生分かりやすくこの辺りを教えていただけますでしょうか?
犬房:リンゴを切って空気にさらしておくと茶色になりますよね?あと鉄釘を水の中に入れておくと赤サビが出てきますね?我々の身体がサビるというのは実は全く同じ現象なんです。つまり酸素があると酸化ストレスでサビるということなんです。
我々が呼吸で取り入れた酸素がエネルギーを作る時に使われるのですが、どうしても2%くらい余ってしまう、それは酸化ストレスの元なるのですがそれが多すぎるといわゆる身体の中でサビさせる物質が増えてしまう、サビさせる物質の最終産物として過酸化水素とか次亜塩素酸という今消毒薬で使われているものとか漂白剤なんですけど、に変わってしまう。
でも考えてみてもらうと漂白剤が手に付くとビリビリと白くなって炎症が起こるんですけれど、それが身体の中で増える=全身に炎症を起こす、これが身体がサビるということです。ですからほとんどの病気にこの酸化ストレスというのは関連しているという風に言われています。
質問の方のストレスとありますが精神的なストレスも酸化ストレスが上がる大きな原因なので、ですからどこかでリラックスするような時間を作るとか、そういうことをやはり考えていただいた方がいいのではないかなという風に考えています。
コジマ:はい、精神的なストレスも酸化ストレスを生むということでしょうか?
犬房:はい、そうです。
コジマ:ではなるべくリラックスして酸化ストレスを溜めないような生活というのが日々の健康を守っていく上で大事ということですね。
犬房:そうです。
コジマ:それからですね、やはり今後季節が暑くなってくるときにどうやって過ごしていこうかというご質問がきております。
「暑くなってくるとエアコンで感染がまた増えるとニュースで聞きましたが職場で雨などで換気が出来ない場合どうしたらいいでしょうか?」というご質問です。確かにオフィスビルなどは窓が全て空かない場合、空調での換気になっているところもあるかと思うんですね。そういった場所で今後気を付けていくこととか、私達が気を付けてやるべきことがもしありましたら教えていただけますでしょうか。
犬房:これは非常に難しいのですが、エアコンで感染が増えているのかそれともこれはシンガポールで起こっていることなんですがシンガポールの出稼ぎ労働者がたくさんおられるんですが、劣悪な環境で住んでおられるんですが暑いのでエアコンをガンガンかけるわけですよ。エアコンで本当に感染をしたのかそれともエアコンで身体が冷えすぎて免疫が下がったのか、これはまだちょっと分からないところがあるんですね。
ですからエアコンで注意すべきところは身体を冷やし過ぎない、これが非常に重要なポイントですということと職場の場合はエアコンのフィルタというのは抗菌フィルターみたいなウイルスフィルターを付けられる場合があるのでそういうことを検討されるといいかもしれません。
コジマ:はい、そうしますと、この一般の家庭で夏にクーラーを使う前にちょっと匂いが気になったりですとかする場合があると思うんですね、私も経験があるんですけれどもそういう場合はクリーニングをした方が感染症を防ぐという意味でも効果的でしょうか?
犬房:エアコンのクリーニングに関してはクリーニング業者さんと一度お話をしたことがあるんですが、匂いがしてひどい場合というのはカビが生えているんですけれどもそこにウイルスが付くのかというとカビにウイルスが感染するかどうかという話になってくるんですね。
実は細菌、バクテリアにはウイルスが感染をして増えるということが分かってきているんですが、カビはちょっと私は分からないので可能性ゼロではないのかなとは思うんですけれどもあまりそこまで心配しなくてもいいと思いますが、でもクリーニングはやらないよりもやった方がいいということだそうです。
コジマ:はい、一般的なコロナウイルス以外の肺炎ということを考えても真菌類などがいない方がいいですものね。
犬房:まぁ、そうですね。
コジマ:はい、わかりました。ありがとうございます。それからですね、海外では土足文化が日本と違ってありますけれど、「土足文化の海外ではコロナウイルスの原因にこの土足があるのではないかと言われているかと思いますが、地面に落ちたCOVID19というのは靴についてしまうのでしょうか」ということなんですが、どうでしょうか先生、この靴で踏んでそれが何か感染のきっかけになったりとかそういったことは考えておくべきでしょうか?
犬房:可能性としては無きにしも非ずですがどちらかと言えば人から人というのがメインではないかと考えております。
コジマ:はい、そうですね。一番多いと言われているのがやはり手に付いてそれをこういうところを触るというのが一番感染源として多いというので靴を気にされるのはもちろんされたらよろしいと思うんですが、まずは手洗いとマスクといったこの辺りのケアですね。
犬房:そうですね。
コジマ:はい、わかりました。免疫力についてのご質問がきています。「免疫力を上げる方法とコロナウイルス抗体を作る方法を教えてください。」ということなんですが、まず先生コロナウイルス抗体を作るには感染するしかないと思うんですが。
犬房:そうですね。
コジマ:感染すれば抗体ができると、ただ今ワクチンがない状況で積極的に感染しにいくというのは非常に危険なのでまずその考えは置いておいていただいて、そうではなくて免疫力を上げていくということが1つあるかと思うんですが、よく「免疫力を上げましょう!」って言っている広告とかでもたくさん私見ます。その考え方は正しいのかどうなのか教えていただきたいなと思うんですが。
犬房:まず一般論で申し上げますけれど免疫が下がると色々なことが起きるんですね。例えばアレルギーもそうなんです。
花粉症というアレルギーがあるんですが今や国民の53%がかかっているんですね。昔はこれ少なかったんですがなぜ増えたかというと大きな原因は糖尿病とその予備軍非常に多い、日本ではですね。あとは空気の汚染というのもあると思うのですが、これはそういうことで酸化ストレスが上がって免疫細胞がダメージを受けるとアレルギーが起こっているわけです。
だから免疫が下がっているとアレルギーだけではなくって例えばがんにもなりやすい、そういうようなことなんですね。当然ウイルスに対する免疫、細菌に対する免疫というのもあるんですが、今回亡くなっている方たちというのは高齢者と基礎疾患がある人達なのですが、こういう方たちは酸化ストレスが物凄く高いんです。
酸化ストレスが高いと我々の白血球を攻撃して弱くしてしまう、だから免疫が下がるわけです。そして重症化するという三段論法がいえると思うのですが絶対に免疫力は上げた方がよろしいです。
コジマ:はい、先生、私からも1つ質問なのですが免疫力を上げすぎることによって過剰な反応が起きて疾患というものもあるかと思います。例えばリュウマチなどがその一例かと思うのですが、全く攻撃しなくても良いものに対して自分の身体に対して攻撃をしすぎてしまうことで起こる免疫の反応とそれによる病気というのもあると思います。適正な範囲に免疫を持っていくというのが大事なのかなと私は今先生のお話を聞いていて思ったのですが、この考え方はあっていますでしょうか?
犬房:いわゆる、リュウマチとか、SLE、膠原病はですね、免疫が上がり過ぎるというよりは免疫をうまくコントロールするシステムが働いていないんですね。そこで免疫が自分を攻撃してしまうだから通常の状態で免疫を下げないようにするというのが非常に重要という風に言ってもいいかもしれません。
コジマ:はい、下げないようにするということですね。病原体や外敵に対して正しく反応できるようにするということですね。
そうしますと今コメントいただいている中でその免疫を、いただいたコメントでは上げていくためにと書いていただいているのですが体温を上げたらいいのでしょうか?とかですね、他にいただいているご質問としてはハーブやラベンダー、エッセンシャルオイルなど免疫を上げる効果がありますか?というご質問がきています。この辺りいかがでしょうか?
犬房:体温が下がると免疫が下がるというのはもう一般的によくわかっていることなんでそういう意味で体温を下げないように身体を冷やさないようにするというのは重要なことです。そしてハーブとかエッセンシャルオイル、これはですね直接的に免疫は上がらないんですが、リラックス効果が見込めると思うんですね。そうして例えば精神的なストレスを下げるというのは間接的に免疫が上がる可能性はあります。
コジマ:はい、精神的なストレスを取り除いてあげるとそういう効果ですね。
犬房:そうですね。
コジマ:はい、わかりました。それからですね、また違うご質問なんですが「コロナウイルスにスポーツ選手が感染しています。今までのように激しい運動をするのは厳しくなっていくのでしょうか?」というご質問です。
ちょうど先日若い力士の方が亡くなるというニュースもありました、一般的にこのアスリートの方というのは普通の方よりもどうしても体力的にも十分あって若くて健康でというイメージがあるのかなと思うんですが、この運動、スポーツと免疫力について先生いかがでしょうか?
犬房:まず力士の方なんですが、力士さんというのは相撲の勝負で有利になるように体重を増やさなきゃいけないんですね。ですから大量の食事を食べます。それを食べるということで糖尿病が物凄く多いわけです。でその若い力士の方がどういう状況かというのは報道されていないのですが、たぶんですが血糖値が非常に高い状態なんですね。
いつも食べているから、これはもう間違いないです。そして血糖値が高くなると酸化ストレスが増えるのです。そして酸化ストレスが増えると免疫が下がるということで肥満の方は死亡のリスクの最大原因というふうに欧米からも報告があるんですけれども、そういう意味で若い力士さんというよりは大変な肥満の方が亡くなったというのが私の思ったことで当然肥満はコロナウイルスで亡くなるリスクが一番高いんだと言われているのでそのリスクをお持ちの方だったという風に言えます。
そして先ほどアスリート、スポーツマンのアスリートと呼ばれましたが筋肉を物凄い酷使しながら鍛えているんですね。で我々の身体の酸化ストレスというのは実は筋肉を動かすだけでも出てくるのです。で適度の運動をしている時には酸化ストレスが上がってもそれを打ち消す力が上がってくるんでトータルで言うと身体にはプラスなんですが、もうすごいスピードで1日何十キロも走られる方がおられるんですが、これは酸化ストレスの方がが勝ってしまう、だからアスリートの方は非常に短命な方が多いんですね。
つまり酸化ストレスが上がり過ぎて早く老けてしまい色んな所に問題が出るということでアスリートですごく運動をされている方が健康かというと実はそうでもないのです。
ですから私がいつもお勧めする運動法としては、ゆっくり散歩というのはダメなんですが、足のピッチを広げてかなりの早いスピードで30分くらい歩くというのを週に2、3回してくださいと、そうすると酸化ストレスを打ち消す力が上がりますよと。そしてアスリートでものすごく筋肉をつかうような方はリスクでございます
コジマ:はい、そうですね。一般的に運動することは身体にいいと思って一般の方でもジョギングをされたりとかいらっしゃると思うんですね。私も最近の街の様子を見ていてもマスクをしながら物凄く苦しそうにジョギングしている方を結構みるんですがやり過ぎには気を付けた方がいいということですね。
犬房:そうですね。あとジョギングの時もマスクをしてくださいととか言っている人もいるんですが、僕は基本的に酸欠になるので健康にはよろしくないと思っています。
コジマ:はい、わかりました。先生それではいいお時間になってまいりましたが最後に1つですね。抗体検査についてのご質問をいただいているんですね。日赤の献血のデータを用いた抗体検査の結果が出ましたがこちらについてのご質問です。「東京が0.6%、東北0.4%ということでこの結果は検査制度不足ですか?また東京都と東北で差がないのはどう考えたらいいですか?」という内容のご質問ですがいかがでしょうか?
犬房:まず抗体検査に関しては抗体検査の精度もまだ低いんですね。スイスのロシュがほぼ100%の精度のものを開発しましてまだそれ日本には届いてないのかな、イギリスとアメリカが大量に購入するということを言っているんですがその検査結果が日本にも来れば正確な数値が測れると思います。それがまず一つ。
0.6%というのは少なすぎて神戸大学の医学部が出したデータであったり東京都内の医療施設の方が出したデータで言うとやはり6%、医療従事者に関しては10%というデータが出ているということで、しかも4月のデータなので私の推定では東京で言うともしかすると現時点では20%くらいいっているかもしれないと、とういうのは感染のスピードが非常に早いということですね。で、東北と東京が同じというのはおかしいとみんな思われるんで薄がこのCOVID19の感染力は非常に強いので東京も東北も似通った数値になるんだろうという風に思っていますのでたぶん日本全国同じだと思います。
コジマ:なるほど。地域差はそんなにないのではないかということですね。検査の精度がまだ不十分であるということもありますし、また私の考えでもあったんですけれどもあったんですけれども病院が出している抗体検査というのはあくまでその病院に来た方ですよね?その検査を受ける方は、献血の抗体検査というのは比較的健康で献血してもいいぞという風に自ら来てくださる健康体な方から採取した抗体と、まず母体のみなさんの属性が違うのかなとそういったこともあるのかなと思ったのですがいかがでしょうか?
犬房:そうですね。おっしゃる通りだと思います。
コジマ:はい、ありがとうございます。まだまだ抗体検査に関しては精度がこれから高まっていくのかなというところですので出てくるデータに一喜一憂はしない方がいいのかなと思いますがそんな考えでよろしいでしょうか?
犬房:はい。
コジマ:はい、ありがとうございます。では先生いいお時間になってまいりましたので今夜はこの辺りで終了としたいと思います。色々お答えいただきありがとうございました。
犬房:ありがとうございました。
コジマ:またこのチャンネルで定期的に生配信でみなさんのご質問にお答えしていきたいと思いますので今日初めていらっしゃった方はこのチャンネルをチャンネル登録していただきますと生配信が始まった時に通知が届くようになりますのでチャンネル登録よろしくお願いします。
それでは今日はこの辺りで失礼致します。先生ありがとうございました。
犬房:ありがとうございました。
※当動画・テキストで公開している内容は、岐阜大学 抗酸化研究部門 特任教授 犬房春彦の個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません