お酒にまつわる噂や疑問:飲み続ければお酒に強くなるのか?

2020.05.22

 

 

今回はお酒にまつわる迷信についてお話します。

 

 

 

日本でも落語や歌舞伎などでお酒の話が頻繁に出てくるようにかなり古くから存在し、江戸時代にはすでにお酒がなくてはならないお酒好きな方がいたようです。

 

ですからお酒にまつわる迷信や間違った情報はたくさんあります。

 

この章ではお酒で疑問に思っていることやお酒に関して真偽がはっきりしていないものについても説明していきたいと思います。

 

 

お酒の飲み過ぎで記憶がなくなっていても家に帰れる理由は?

 

これはお酒を飲みすぎる方の中では、よく聞く話ですね。

人間には「帰巣本能」があるから、酩酊していても本能的に家にたどり着くことができると言う方もいます。

お酒を飲み過ぎて翌日記憶がない場合でも、実はお酒を飲んだ当日に酩酊していてもその時は家に着くだけの判断力はあるのですが、家にたどり着いて休んだ途端、そこまでの記憶が酸化ストレスで飛んでしまうのです。

 

ですから、お酒の飲み過ぎで酔っていても判断能力があるので無事に家までたどり着くのですが、その後にその記憶が酸化ストレスの影響で消えてしまうので、酩酊した翌日に「どうやって家に帰ってたのかわからない」という状態になってしまうのです。

 

 

お酒は飲んでも吐けば酔わない?

 

アルコールを飲んでも戻してしまえば酔わないのではないかと考えている方がいらっしゃいます。

確かにローマ時代のローマ人の貴族たちの中には、宴会の際に長時間、大量の食べ物を食べ、お酒を飲み続けるために、宴会の途中で1時間おきに胃の中のものを出して、また宴会を続けていたという事実があります。

 

しかしアルコールの吸収というのは非常に早いのです。

 

例えばワインを30分かけて飲んだ場合、そのアルコールの大半はすぐに体内に吸収されてしまいます。ですから1時間後に胃の中のものを出しても胃の中のアルコールは既に吸収された後となります。

 

ですからお酒を飲み続けるためにお酒を飲んでは戻し、また更に飲むという行為は、身体のためにも決してやらない方がいいし、お財布にも優しいと思います。

 

 

毎日酒を飲んでると鍛えられるというのは本当?

 

お酒は飲み続ければ鍛えられて強くなるというお話はよく聞きますが、これは身体が鍛えられて強くなるというのではなく、アルコールを毎日一定量飲んでいることで、身体がそれを代謝することに慣れてくるという表現に近いのではないでしょうか。

 

お酒を飲み始めた当初はワインを3杯しか飲めなかったのに、何年か飲み続けていたらその倍以上の量のワインが飲めるようになっていたということはよくあります。

 

これは長期間ミトコンドリアにアルコール代謝という負荷をかけることで、ミトコンドリアのアルコール代謝能力が鍛えられる、ということはあるかもしれません。

 

しかし、決して年齢を重ねれば重ねるほど、お酒が飲める量が増えるということではないので、無理をしないようにしてください。

 

 

お酒を飲めなかった人は飲めるようになる?

 

全くお酒が飲めなかった人がサプリメントや健康補助食品もしくは飲料を摂ることで、少し飲めるようになったという話があります。

 

全くお酒が飲めない人の中にはアセトアルデヒドの代謝が全くできない方がいます。このような方が徐々にでも飲めるようになるということはあり得ません。

 

なぜならアセトアルデヒドの代謝が全くできない人は、どんな少量のアルコールを摂取しても、パタっと倒れてしまうような体質なのです。

 

一方サプリメントや健康補助食品や飲料を摂ればお酒が飲めるようになったという方達は、アセトアルデヒドの代謝が一部うまくいかないという人です。

 

この場合、今まではほんの少しのお酒を飲んだだけで体内のアセトアルデヒドの数値が上がって気分が悪くなって飲めなかったのが、アルコール代謝を促進するようなサプリメントや健康補助食品または飲料を飲むことで、血液中のアセトアルデヒドの濃度の上がり方が緩やかになります。

 

そのため時間をかけることで、今までのようにお酒を飲んですぐに気持ち悪くならずに徐々に飲めるということになります。

 

しかしお酒が飲めないと思っていたけど、サプリメントや健康補助食品または飲料によって以前より自分はお酒が飲めるようになった!と思うかもしれませんが、そういう人達はそもそもお酒に非常に弱い人なので、無理をして飲まない方がいい のではないかと思います。

 

 

最後に

 

お酒にまつわる疑問や噂について解説しましたが、「お酒を飲む」のにこれが正解というものはありません。お酒との付き合い方には個人差があります。また年齢や体調によっても違いますのでお酒を飲む際には、その時の体調や状況などを考えて、決して飲みすぎないようにしてください。