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岐阜大学 ライフサイエンスリサーチセンター
抗酸化研究部門

岐阜大学 ライフサイエンスリサーチセンター 抗酸化研究部門

「抗酸化」とはいったい何?

2017.11.28

 

我々生物が酸素を利用して生きている以上、「酸化」という化学反応から逃れることはできません。もちろん、酸化の反対側には還元という化学反応があります。酸素が炭素を酸化させるとき、酸素は還元されているのです。酸化と還元は一対のものです。

 

 

 

「体をサビさせる」というイメージで酸化が語られることが多いので、「酸化=悪いこと」ととらえられがちですが、そんなに話は単純ではないのです。

ですから、抗酸化、つまり「酸化に抗う」といっても、体の中の酸化(および還元)反応に抵抗するわけではありません。そんなことをすれば死んでしまいますから…。

私たちが抗うべきなのは、「過度の酸化」なのです。

 

過度の酸化を招く代表格が、”活性酸素”です。

活性酸素は体内に侵入した細菌などの異物を撃退することにも使われていますから、我々生き物は、活性酸素を生み出す仕組みをもともと持っています。

ほ乳類の場合、一般的に、体に取り込んだ酸素の数%(2%程度とする説が多い)が、活性酸素に変化すると言われています。これらが体を防御すると同時に、健康な細胞も傷つけたりします。

 

一方で、余分な活性酸素の活性を失わせたり、傷ついた遺伝子を修復するなど、その悪影響を防ぐための仕組みも備わっています。だから、通常は「体が急速にサビた~!」などと意識せず暮らせるわけです。生物の体は本当によくできています。

 

ただ、年をとったりすれば、この防御機能も性能が落ちます。ストレスや喫煙、不摂生、放射線の影響など、何らかの外的理由で活性酸素の発生量が増え、防御機能が追いつかなくなることもあります。こうして過度な酸化が起きるのです。

 

活性酸素が蛋白質と反応すれば、変性といって、蛋白質としての機能を失い、動脈硬化などを引き起こすことがあります。また、生体反応に欠かせないさまざまな酵素も活性を失います。赤血球と反応すればその赤血球は酸素を運べなくなります。修復機能を上回るスピードで遺伝子を傷つければ、がんなどの病気を発生させる可能性もあります。

 

 

こうした活性酸素の害を減らすために行うのが、よく言われている「抗酸化」です。

一般的には、抗酸化物質を多く含む食品を摂取すること。ビタミンCやビタミンEが代表格ですね。これらの物質は、細胞よりも早く活性酸素と反応して無害化する性質があります。年齢とともに、体内で生成される抗酸化物質の量が減る傾向にありますから、年をとってから、手軽に抗酸化作用を期待したいときには有効でしょう。

 

もうひとつが、余計な活性酸素の発生量をおさえること。

これは、さらに有効な手段なのですが、食事や生活スタイルなど、生活習慣の改善が伴いますから、なかなか難しい面もあります。

 

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