血液中のビリルビン(T-bil)と黄疸(おうだん)について

2019.05.21

 

健康診断や人間ドックなどでの血液検査の項目にビリルビン(T-bil)というものがあります。今回はこのビリルビンについてのお話です。

 

 

ビリルビンとは何なのでしょうか?

 

ビリルビンとは、赤血球の中にあるヘモグロビンが壊れた際に出来る黄色い色素です。ヘモグロビンというのは酸素や二酸化炭素を運ぶ働きをしていますが、古くなったヘモグロビンは壊されます。この際に生じるのが間接ビリルビンです。

ビリルビンには先ほどの間接ビリルビンの他に直接ビリルビンという2種類のビリルビンがあります。間接ビリルビンは血液と一緒に肝臓へと運ばれ、肝臓で更に処理されて直接ビリルビンとなり、胆汁へと入っていきます。

 

胆のうの役割について

 

肝臓で作られた胆汁は肝臓の下にある胆のうという袋状の臓器に一旦溜められます。ここで胆汁は余分な水分が吸収されて成分が濃縮します。食事を取ると、胆のうはその情報をキャッチして胆汁を分泌し、胆のう管から総胆管を通って十二指腸に流れ込んで、食べ物の消化を助けます。

 

どんな色のものを食べても大便の色が茶色になるのは、この消化の過程でこの黄色い色素である直接ビリルビンの入った胆汁と混ざるからなのです。

 

ビリルビン値が高いとどうなるのか?

 

ここで血液検査の話に戻りますが、ビリルビンの値というのは、血液中にあるこれらのビリルビンがどれくらいあるかを表わしています。この数値が高い場合は、胆のうの炎症や胆石などで、胆汁がうまく体の外に排出されていない状態です。

 

また、肝臓の機能が低下していると間接ビリルビンの処理が間に合わなくなり、ビリルビンの値が高くなりますから、肝機能障害とか肝硬変の可能性が出てきます。また、肝臓や胆のうの当たりで癌が生じても同様のことが起こります。

 

血液検査の話から少し離れますが、このビリルビンの値が高くなりますと、黄色い色素であるビリルビンの色が顔に出てきます。つまりは顔が黄色っぽくなるんですね。これが黄疸という症状です。みかんの食べ過ぎでも黄色くなったりしますが、それとは違いまして、黄疸は血中のビリルビンの数値が高い場合に出てくる症状です。

 

黄色人種である日本人にとって、黄疸がわかりにくいことが多いです。その為黄疸は肌の色を見るよりも、眼球の白目の部分が黄色くなっているかどうかを見て判断します。そのため、黄疸の初期においては他人から目の黄色さを指摘されることが多いです。

 

また、白い紙が黄色く見える、身体がかゆい、だるいなどの自覚症状が出ることもあります。その場合は、医療機関を受診し、検査を受けることをおすすめします。黄疸が出ているということは、肝臓や胆のうの辺りに何らかの病気がある可能性がありますからね。

 

最後に

 

肝臓が病気というほどではなく疲れているといった程度の場合にも、ビリルビンの値が高くなることがあります。こうした時にたかが疲れとあなどってはいけません。肝臓は生命維持に必要なエネルギーを蓄えたり、体内に入ってきた有毒な物質を解毒したり、血液を貯蔵したり、胆汁を生成したりと、様々な役割を果たしている非常に重要な臓器です。

 

解毒といった役割において、アルコールを飲んだ際に生じる有毒な酸化ストレス物質であるアセトアルデヒドなども解毒・分解をしたりするものですから、酸化ストレスの影響を受けやすい臓器でもあります。


 肝臓は自覚症状が出た時には手遅れと言われるほど、病気になっても自覚症状の出にくいという恐ろしさがあります。しかも、肝臓がダメになってしまった場合には、移植をするというのもドナーの関係もあり、なかなか難しかったりします。

知らずの内に病気になってしまうことは仕方のない事ではありますが、日頃から肝臓を労わってあげることで病気を予防しようと心掛けることは大事です。そのためにも、日頃から酸化ストレスと下げる生活習慣を心掛けてくださいね。