免疫を高めるためにできること(新型コロナウイルス感染症)

2020.04.03

 

 

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■新型コロナウイルスの症状が人によって異なる理由

 

今考えられているのは、身体の免疫に大きな関連があると思います。つまり非常に健康で病気がなくて免疫力のある方は症状が軽くすんでいる、そして高齢で身体のサビ、酸化ストレスが上がっていて免疫力が下がっている人は感染しやすいし糖尿病、脳梗塞、高血圧というような基礎疾患がある人は酸化ストレスが高いので症状が非常に強く出るというような特徴があるようです。ですからその方の免疫力で症状の違いがあると考えてください。

 

 

■酸化ストレスが高いと免疫が弱くなる

 

元々我々の身体は免疫の細胞が働いていて例えばウイルスや細菌の感染とか例えばがんなどもそうですが、そういうものを排除するシステムが備わっています。しかし身体がサビる酸化ストレスが高い状態ですと免疫細胞がダメージを受けるのです。例えば酸化ストレスの最終産物である過酸化水素というものがありますが、これは洋服の洗濯の時に使う漂白剤の原料です。この漂白剤、手に付くとピリピリと炎症を起こして白くなりますね?これが血液の中で増えている=全身の細胞がダメージを受けて炎症が起きるわけです。そして免疫細胞はこうゆうダメージに非常に弱いので酸化ストレスが上がると免疫機能が落ちるという現象が起こります。

 

 

■免疫を上げるためにできること

 

免疫機能を上げるために必要なこととは、まず身体を冷やさないことです。動脈から出て行く血液の温度が1℃上がるだけで免疫力は何倍も上がると言われています。ですからまず身体を冷やしてはいけません。そして免疫力を下げる物というのは実は酸化ストレス物質なのですが、酸化ストレスを生むものを避けるということです。ですからまずタバコを吸うのをやめる、お酒を大量に飲むのをやめる、これはもうすぐにでもできることですね。これらは非常に重要なファクターだと思います。そして酸化ストレスを本当に有効に下げるものを飲んでいただくこれが一番いいと考えます。

 

 

■糖尿病や高血圧があると免疫が弱い理由

 

糖尿病、高血圧の方は非常に感染症が多いです。2011年に世界中でインフルエンザで亡くなった方を調べた論文があります。そうすると糖尿病の方は死亡率が4倍、脳神経疾患だと13倍、肥満だと30倍そしてなんと妊婦さんでも死亡率が2倍近くあるわけです。今申し上げた病気は全て酸化ストレスが高い状態ですし、妊婦さんでも胎盤から非常にたくさんの酸化ストレス物質であるホルモンが出ているため酸化ストレスが高く免疫力が下がっている状態だと考えられます。

 

 

■免疫を上げるための食事・生活習慣

 

まず免疫を上げるには体温を上げた方が良いという点があるので身体を冷やさないこと。そして酸化ストレスが高いと免疫が下がるので酸化ストレスが下がるような生活習慣をすること、まずは運動するということです。マラソンのような非常にきつい運動ではなくて、1回30分程度非常に早いスピードで歩くというような運動を週2・3回程度やると酸化ストレスを下げやすい状態になります。あと食事で申し上げると糖質とか炭水化物をたくさん摂ると血糖値が跳ね上がって酸化ストレスが上がるということが分かっていますので、糖質制限をするのが良いと思います。

 

 

 

※当動画・テキストで公開している内容は、岐阜大学 抗酸化研究部門 特任教授 犬房春彦の個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません