肥満が新型コロナウイルス感染症の重症化リスクファクターである理由

2020.04.29

 

 

メッセージを文字で読みたい方はコチラ↓

 

 

 

私は岐阜大学で酸化ストレスを研究しています。

 

 

 

 

コロナウイルスに関して食事やたばこに関するWHOのメッセージが出ました。体の健康管理についてです。免疫システムを助ける健康で栄養価の高い食事をとってください、お酒を控え甘い飲み物を避けてください、タバコを吸わないでください、適度な運動をしてください、というものです。

 

 

 

 

 

肥満は新型コロナウイルス感染の重症化リスクである、ということもたくさん報道されるようになりました。

 

 

 

 

私は新型コロナウイルス肺炎は間質性肺炎であるという事を3月13日に発信しまして

3月末の安倍首相の記者会見では間質性肺炎に関して言及されました。

 

 

 

 

2009年に大流行したインフルエンザ感染で、死亡リスクを調べた論文があります。全世界から死亡者2500人のリスク因子を論文から拾って調べたものです。脳卒中、糖尿病、脳神経変性疾患、喘息・アレルギー疾患、妊娠などありますが、断トツの死亡リスクが高度肥満でした。

 

 

 

 

この論文のデータを見てみると、BMI、肥満指数ですね、30以上の方は死亡リスクが1.5倍ですが、40以上になるとなんと36.3倍ということなんです。これはなぜかというのを考えていきたいと思います。

 

 

 

 

酸化ストレスというものを簡単に説明しますと、たとえば我々の体の中で酸化ストレスの最終産物が二つあります。一つは消臭・滅菌に使われる次亜塩素酸、それから衣類の洗濯に使う漂白剤の原料である過酸化水素というものがあります。この2種類の物質は我々の体の中でも作られていて、白血球がウイルスや細菌を破壊するときに使います。しかし考えていただいたらわかるのですが、血液中に漂白剤成分が増えるということは全身で炎症が起こってしまうということになります。

 

 

 

 

糖尿病と酸化ストレスに関して2011年にそのものずばりの名前の医学雑誌が出版されています。この本には、糖尿病の発症前から膵臓の細胞は酸化ストレスでダメージを受けているということ、血糖値が高いと酸化ストレスが上昇するということ、そして腎障害・白内障などの合併症があるのですが、それは酸化ストレスが引き起こしていると書いてあります。しかし、なぜ血糖値が高くなると酸化ストレスが上がるのかは記載されていません。

 

 

 

 

共同研究者の東京大学名誉教授 局博一先生は、酸化ストレスや呼吸循環系の病態生理の専門家でございます

 

 

 

 

これは局先生の論文ですが、ラット心筋細胞の培養液の中のグルコース、糖分を「下げると」、エネルギーが出るのが上がるというデータの論文です。普通、糖分が「多いと」エネルギーが出ると皆考えるのですが、これはなぜかということを考えていきましょう。

 

 

 

 

血糖値が高いと起こる事:まずミトコンドリアという我々の細胞の中の小器官が、酸素を使ってエネルギー生産をします。そして、この糖分は非常に簡単にエネルギーに代わるので、高血糖、血糖値が上がるとミトコンドリアがエネルギー生産をサボってしまう、つまりたんぱく質や脂質からエネルギーを作るのは大変なのでそれをサボってしまうということですね。そうすると酸素が使われず酸化ストレスが上昇するということで、局先生に言わせると、人は飢餓の時ほどエネルギーが必要なんだと仰います。

 

 

 

 

ミトコンドリアがサボるというのはここに少し化学式をだしましたが、いわゆるグルコースから解糖系でエネルギーを作るのと、それから他のものからエネルギーを作るのが違うという図です。

 

 

 

 

さあ人は空腹のときほどエネルギーが必要、これはどういうことでしょう?血糖値が低い状態というのは飢餓な状態だと、お腹が減っている状態ですね、お腹が減っている時こそ動物を一生懸命追いかけ獲物をとらなければいけないとか、飢餓の時こそ一生懸命木をよじ登って木の実を取らなければいけない、つまりたらふく食べてて血糖値が高い状態だとエネルギーがでない、ということなんです。

 

 

 

 

私が開発した抗酸化配合物Twendee Xは有効成分はここに示していますし、国際特許、日本国特許もありますし、安全性試験も行っています。

 

 

 

 

そして、Twendee Xの酸化ストレス低下の効果は世界で最も強いとフランスの酸化ストレス測定会社ICDDに評価されています。

 

 

 

 

糖尿病のモデルマウスがありまして、レプチンというお腹が一杯になったというシグナルの受容体に異常があって延々食べ物を食べ続けるマウスがあります。

 

 

 

 

それを使って実験をしました。Twendee Xを飲ませていくと、飲ませていない群の血糖値が220くらいのものが120くらいに有意に下がっています。

 

 

 

 

そして、インスリン生産が、24週で見ますとTwendee Xを与えた群は非常に高くなっている、つまりインスリンの出す量を増やして血糖値も下げるという効果が確認されています。

 

 

 

 

さて、肥満がなぜ新型コロナウイルスのリスクかというと、肥満で血糖値が上がる、ミトコンドリアがさぼる、酸素が使われず酸化ストレスが上昇する、酸化ストレスでウイルス免疫が低下している、そしてウイルス感染が重症化しやすい、ということが考えられます。もちろん肥満があることで他に起こる合併症があります。高血圧、動脈硬化、悪性腫瘍、アレルギー疾患などがあるのですが、そういう基礎疾患が重なることで重症化しやすいといえるかもしれません。

 

 

 

 

酸化ストレスを下げるには、タバコ・お酒をやめる、肥満のある方は糖質制限をする、そして十分な睡眠をとり精神的ストレスを下げる、それから有効な抗酸化サプリメントの摂取もよいでしょう。あと酸化ストレスと直接関係ないのですが、体を温めて免疫を上げることも重要と考えます。

 

 

 

 

こちらが岐阜大学抗酸化研究部門の情報です。