がん治療や肥満・ダイエットは新型コロナ重症化のリスク要因?

2020.05.19

 

メッセージを文字で読みたい方はコチラ↓

 

 

Q:がん治療による新型コロナの重症化リスクについて

 

まず基本的にがんの患者さんはがんがある程度の大きさがある場合には、がん細胞が酸化ストレス物質を放出します。そして高くなった酸化ストレスはウイルス免疫を下げることが分かっています。また化学療法をしている場合には化学療法で免疫が下がっているので重症化リスクが高いと考えます。

 

では岡江久美子さんのように放射線治療なのですが、放射線治療が極小さなピンポイントで行われている場合には、そこの部分に酸化ストレスが生じるのですが免疫が全体的に下がるということは考えにくいと思います。

 

しかしもしも広い範囲に放射線治療をしているのであればそこから酸化ストレス物質が出ますので、免疫が下がっていてもおかしくはないと考えます。

 

いずれにしましてもがんがある方、そして化学療法や放射線治療をしている方はコロナウイルスの重症化リスクがあると考えて十分注意をして下さい。

 

Q:肥満やダイエットによる免疫低下のリスクについて

 

酸化ストレスと肥満についてはこの10年程度で色々と新しいことが分かってきています。ですから医学部の教科書には載っていません。

 

そして肥満の方がダイエットをするかどうかということですが、ダイエットというと減食という質問ですが食べる物の量を減らすという考え方があります。これは摂取するカロリーが下がりますので免疫も下がります。これはよろしくありません。ですから糖質が酸化ストレスの原因ですので糖質を少なくして他の栄養源であるタンパク質、脂質、これをしっかり摂っていただく、これが肥満者に対する正しい食事療法と考えます。

 

 

 

※当動画・テキストで公開している内容は、岐阜大学 抗酸化研究部門 特任教授 犬房春彦の個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません