老化は遅らせられる!アンチエイジングを酸化ストレスの観点から解説

2020.05.26

 

私達人間を含めた生物は、生まれてから時間の経過とともに身体の変化を続けています。その「変化」に身体の機能の衰えがみられると「老化」や「老い」という言葉が使われます。「老化」は生物には避けられないものです。

 

 

今回は、老化とアンチエイジング(抗加齢)を酸化ストレスの観点から解説します。

 

 

「老化」について

 

「老化する」ということは、生物が年を取るということですが、単純に年齢を経ることだけが「老化」につながるわけではありません。また「老化」していくと身体の細胞が死んでしまうことを想像される方がいらっしゃるかもしれませんが、老化と細胞が死ぬということは一部オーバーラップしていますが、老化=死ということでもありません。

 

年齢を経ると、昔よりも疲れやすくなった、記憶力が低下したなどと、「老化」を感じることが多くなりますが、すぐに「死」を迎えることではないので、老化してもそのスピードを遅くすることが可能なのです。

 

アンチエイジングとは何か?

 

最近、雑誌や広告などで「アンチエイジングを目指す」や「アンチエイジングに効果がある」といった言葉をよく目にするようになりましたね。今回はそのアンチエイジングについて簡単に説明しましょう。

 

「エイジング」とは加齢、つまり年齢を加えることです。そして「アンチ」とは反対もしくは対抗するということですから、加齢するのを抑制する、つまりアンチエイジングとは「加齢防止」「抗加齢」という言葉で表現されます。

 

人間は誰しも加齢によって老化をしていきますが、それをできるだけ緩やかにすることができれば老化を先に延ばせるという考え方があります。つまりアンチエイジングというのは、『いつまでも若々しく年齢を重ね、寿命を延ばすこと。』となります。

 

そしてこの『アンチエイジング』こそが、岐阜大学共同研究講座抗酸化研究部門で行っている酸化ストレスのメカニズムの解明や酸化ストレスに関わる疾患の研究の最終目標「健康長寿社会への貢献」につながっていくと考えています。

 

 

アンチエイジングに即効性のある生活

 

即効性のあるアンチエイジングはやはり毎日の生活習慣が非常に大切です。その方法をいくつかご紹介します。

 

まずは身体の抗酸化力を高めるために、抗酸化力があると認められている食べ物をいろんな種類、摂ってください。

 

例えば色の付いた果物や野菜です。抗酸化には果物や野菜がもっている「色素」が有効です。

トマトの赤色である「リコピン」やブルーベリーの青紫色の「アントシアニン」ニンジンの黄色などには「βカロテン」が含まれています。

 

食事については以前の記事でも紹介していますのでぜひ参考にしてください。

アンチエイジングにいい食事とは?https://antioxidantres.jp/column043/

 

もう一つは、運動をすることです。

身体の筋肉を適度に動かすと筋肉細胞から酸化ストレスが出ます。ですから体内の酸化ストレスの値がその時は上がります。しかし同時に抗酸化力も上がるのです。

 

どのような運動が有効かといいますと激しい運動を毎日するよりも適度な運動を週3日程度、速足で歩幅を最大に広げて3㎞から5㎞を歩くことを推奨しています。このような運動を行うことで身体の基礎的な抗酸化力が上がり、抗酸化力を鍛えることにつながります。

 

最も重要なことは、身体をサビさせるものを避けることです。

日常生活においては紫外線を含んだ直射日光、放射線、電磁波、車の排気ガス、更に精神的なストレスなどが身体をサビさせるものです。

 

また食べ物で体をサビさせるものもあります。例えば大量の飲酒。そしてタバコ、特に紙巻きたばこを吸うことも身体をサビさせる原因になることは良く知られていますが、最近明らかになっている高血糖、つまり血液中のグルコースが高いという状態も身体を特にサビさせる原因になります。ですから糖質制限をすることは非常に有効な方法です。

 

最後に

 

今回は老化とアンチエイジングについて酸化ストレスの観点から紹介しました。酸化ストレスを下げる生活習慣を心掛けることがアンチエイジングにつながります。また酸化ストレスのメカニズムや知識を持つことで酸化ストレスから身体を守ることができます。岐阜大学共同研究講座抗酸化研究部門での研究実績やデータもこちらのサイトで発信していきますのでぜひ参考にしてください。

 

以前の記事で酸化ストレスの原因になる生活習慣についてもこちらで紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。

どんな生活習慣が酸化ストレスの原因になるのか?https://antioxidantres.jp/column028/