活性酸素ってどんなもの?
2018.04.19
空気には20%程度の酸素が含まれています。
空気中の成分グラフ
燃料と空気中の酸素を使って燃焼させれば自動車をも動かせるエネルギーを得られるように、酸素はもともと反応性の高い物質です。この酸素がさまざまな作用で、不完全に還元され、さらに反応性が高い化合物へと変化したものが、”活性酸素”です。
スーパーオキサイド
ヒドロキシルラジカル
過酸化水素
などが代表的な化合物です。
反応性が高いので、生体内で容易にさまざまな物質と反応します。細胞と反応すれば細胞膜を壊しますし、タンパク質と結びつけば生体反応に必要な酵素を働かなくさせます。遺伝子と反応すれば突然変異を引き起こし、体の老化や動脈硬化、がん発生の原因となります。
特に反応性が高いのが”ヒドロキシルラジカル”で、活性酸素による生体損傷の多くは、ヒドロキシルラジカルによるものと言われています。
「体をサビさせる」という言葉で完全に悪者扱いされる活性酸素ですが、実は、細菌やウイルスなど、有害な異物から体を守る働きもしています。活性酸素を体が作り出し、体を守っているわけです。
代表的なのが白血球の防御機能で、白血球は取り込んだ細菌を殺すために、活性酸素を生成して利用しています。つまり、生体に必要なものでもあるのですね。
生物が酸素を使うようになって以来、長年付き合ってきただけに、体は余分に発生した活性酸素の活性を失わせる機能を持っていますし、活性酸素によって傷つけられた遺伝子を修復する機能も備わっています。
ですから、通常はそれほど心配はいらないのですが、ストレスや喫煙、紫外線、放射線など、何らかの要因で増えすぎることがあります。
この、体が対応できないくらい、余分に発生した活性酸素が健康被害を引き起こすことがあるのです。