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岐阜大学 ライフサイエンスリサーチセンター
抗酸化研究部門

岐阜大学 ライフサイエンスリサーチセンター 抗酸化研究部門

がん治療について

2018.06.04

 

 

国立がん研究センターが、日本人対象の疫学調査やさまざまな研究結果で明らかになったことをまとめた「がんを防ぐための新12か条」。

 

この第12条めにある「正しいがん情報でがんを知ることから」は、いくら強調してもしたりない大事なポイントです。

 

 

がんでなくなられた芸能人について、メディアで報じられていることが本当なら、どうしてもっと正しい情報を得て治療を受けなかったのかと残念に思うことがよくあります。

それにがんに手術は不要と言い切っている医師の本が、よく売れているということも聞いています。これも本当に残念なことです。すべてのがんで手術は不要などということは絶対にありません。

 

がんを手術で切除した後、再発しないで元気になる方はどんどん増えています。反面、今でも手術を拒否してなくなられる方がいらっしゃる。

なんと悲しいことでしょう。

 

すべてのがんに対してこうすべしなどという言い方自体、信用してはいけないのです。

がん”と一言で言っても、さまざまな性質のものがあるからです。

 

がんの治療方法について

がんの免疫療法というものが最近注目されていますが、この中にも効果のエビデンス(証拠)がまったくないものがあります。

専門医ならこんな治療、効果があるはずないと断言できるようなものなのですが、HPに日本最多の7千例以上治療などと書いてあると、一般の方は信用してしまうのかもしれません。これもとても残念な現実です。

 

とはいえがんの免疫治療では、確かに効くという薬も登場してきました。オプジーボ(ニボルマブ)という免疫チェックポイント阻害剤です。

 

がんそのものを退治する薬ではなく、がんが『私はがんじゃありませんよ』と嘘の情報を発信しているのを、『いやいや違う、こいつががんだ』とわかるようにしてくれる薬です。この薬は、有効率約30%という証拠が出ています。がんそのものを退治する薬で、有効率30%といったものはありません。せいぜい10~20%で、それでも非常に効果があります。

 

今、保険適用されているのは悪性黒色腫メラノーマ、進行した肺がん、胃がんなどです。今後、更に保険適用は広がるでしょう。問題はとても高価だということ。それでもないよりはましです。

 

また、昨年発売された書籍『このまま死んでいる場合じゃない!』(岡田直美:著)は、できればぜひ目を通していただきたい。がん治療専門の内科医が、既存の治療法を総動員して末期がんの患者さんをほぼ完治させたというお話です。

この本はその内科医の先生が患者さんと共著で書いておられ、副題に、“がん生存率0%から「治ったわけ」「治せるわけ」”とありますが、まさにそのプロセスと理由が書いてあります。

がんがあった、再発した、転移した…と、

それぞれの段階をさまざまな方法で治療していったのです。リンパ節転移には特殊な放射線治療、全身に散らばっているがんには化学療法と、しつこくしつこくやられたそうです。

その結果、末期のがんだった患者さんが、今やがんがなくなって3年半ぐらいとか。

がんが転移すると諦めてしまう人が多いのですが、やはり専門の先生に相談して最後まで諦めないことも、とても大事なことだとわかります。

 

がんは部位によって、がんの性質によって、また個々の患者さんによって、同じ療法が効いたり効かなかったりするものです。

ですからすべてのがんに効く薬とか治療法などといった話を聞いたら、本当にエビデンス(証拠)があるか、慎重に確認することが大切です。