アセトアルデヒドは身体にどんな害があるのか?

2018.05.28

 

 

アセトアルデヒドが有害物質であることは、以前にも「有害物質アセトアルデヒドとは?(https://antioxidantres.jp/column013/)」で説明しています。

 

 

 

 

では、一体、具体的にアセトアルデヒドは身体にどのように悪影響があるのでしょうか?

 

まず短期的に、このアセトアルデヒドは酔いの症状を引き起こします。

頭痛、吐き気、動悸、お酒を飲んで顔が赤くなるのは、アセトアルデヒドの血管拡張作用からです。

うまくその日のうちにアセトアルデヒドが分解されずに、このような症状が身体に残ると二日酔いとなります。

 

アセトアルデヒドの発がん性

かなり辛い二日酔い。これよりももっと恐ろしいアセトアルデヒドの身体への影響があります。

それは、発がん性です。アセトアルデヒドには発がん性があります。

 

アセトアルデヒドが分解されない体質の人が大量にお酒を飲んでしまい、アセトアルデヒドにさらされていると、食道がん、乳がん、肝臓がん、胃がん、大腸がんといったがんを発症しやすくなります。

厚生労働省が発表した化学物質の環境リスク初期評価(平成9~12年度)から、とくに食道がんの発生にリスクが高いとされています。

 

この他にアルコール代謝の記事で説明していますが、お酒が弱い体質の人は、アルコールの分解・アセトアルデヒドの分解ができない体質ということになります。無理に飲み続けてしまうと体調が悪いばかりか、がんのリスクが高まってしまうのです。

 

アセトアルデヒドと酸化ストレス

更に、アセトアルデヒドは、体内で過酸化水素を発生させます。

そうです。過酸化水素は酸化ストレスの大きな原因の1つです。

 

アセトアルデヒドが肝臓の細胞に作用し、活性酸素を生み出すのです。

そして、その活性酸素がある酵素と反応して過酸化水素になり全身へ回り細胞にダメージを与え、死滅させます。

つまり身体をサビさせてしまうのです。

 

アルコールとアセトアルデヒド

そもそもアセトアルデヒドはアルデヒドという有機化合物の1種であり、おなじアルデヒドの仲間でホルムアルデヒドというシックハウス症候群の原因になる物質もあります。

 

アルデヒド自体が生物に毒性のあるものなのです。同じく厚生労働省が発表した化学物質の環境リスク初期評価(平成9~12年度)では、直接アセトアルデヒドを目や粘膜にさらすと刺激症状や皮膚の発赤及び肺水腫が観察されました。

 

アルコールの分解の途中で生成されるアセトアルデヒドですが、これを無害にできる力が身体にはそなわっています。しかし、アセトアルデヒドの分解が追い付かないのに、更にお酒を飲み続ければ、発がん性のリスクや酸化ストレスにさらされ続けることになります。

それは、アルコール依存症になる恐れ以外にもアセトアルデヒドによる身体への悪影響が大きいと思ってください。

 

一日のお酒の適量は日本酒だったら1合、ワインであればグラス二杯までと国が推奨しています。

 

 

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