検査値、アミラーゼ数値と膵炎の関係

2019.05.13

 

健康診断や人間ドックで検査をした時に「アミラーゼ」という項目があります。このアミラーゼの項目が基準値より高い場合に心配になる疾患が膵炎です。

 

 

 

アミラーゼとは?

 

アミラーゼというのは、大根などに含まれている酵素ですが、私達の体の中の唾液腺や膵臓でも分泌される酵素です。

 

そもそも膵臓には、大きく分けて2つの仕事があります。ひとつは内分泌機能と呼ばれるもので、インシュリンを分泌して血液中で上がった血糖値を下げるという仕事、もうひとつが外分泌機能という食べ物の消化に関わる仕事です。

 

この外分泌機能である食べ物が消化される過程として、まず、私達が食べた物は食道を通って胃に入ります。胃で小さくなった食べ物は十二指腸にいきます。そして十二指腸で膵臓から出された膵液とまざって食べ物が分解、吸収されていきますが、この膵液の成分の中にアミラーゼが含まれます。

 

アミラーゼは、食べ物を分解する酵素の1種として私達が食べた物を分解して、栄養源として吸収するために主に膵臓で作られる膵液中に存在しています。また、唾液腺からも分泌され、唾液にも含まれている成分です。夏目漱石の小説に出てきたタカジアスターゼというのはこのアミラーゼと基本的には同じものです。大根が消化に良いと言われているのもこのアミラーゼを含んでいるからなのです。

膵液にはアミラーゼの他にリパーゼという消化酵素も含まれています。こちらの方が耳にしたことがある酵素かもしれませんね。

消化酵素とは私達が食べた食べ物を体内で消化、吸収を助けてくれる酵素を言いますが、アミラーゼもリパーゼも複数ある消化酵素の一つです。

 

 

膵炎とアミラーゼ

 

アミラーゼの数値が基準値よりも高いと膵炎の可能性が考えられます。それは膵臓が炎症を起こしている状態、つまり膵炎になると血液中のアミラーゼも上がってくるからです。そのため、アミラーゼの数値が高いと膵炎の可能性があると言われるのです。膵炎の可能性がある場合、血液中だけではなく尿中のアミラーゼにも影響してきます。

 

膵臓に炎症があると胸やけや消化不良を起こすのは、この膵臓の外分泌機能である食べ物の分解、吸収がうまく機能していないためだと考えられます。

 

膵炎と酸化ストレス

 

膵炎には急性膵炎慢性膵炎があります。

膵臓は、胃の背中側にある臓器なので、膵炎になるとお腹の上部や背中が痛くなったりします。

 

特に急性膵炎の4割程度は「アルコールの飲み過ぎ」が原因といわれています。膵臓の細胞は酸化ストレスに非常に弱いのです。

 

お酒を飲むと、体内に入ったアルコールを分解する過程で肝臓を通ります。肝臓内でアルコールが酸化ストレス物質アセトアルデヒドになり、更に無害な酢酸に分解され尿などで体外に排出されるのですが、大量にお酒を飲んだりすると、肝臓内でうまく分解されずに大量のアセトアルデヒドが体内に残ってしまいます。

その酸化ストレス物質であるアセトアルデヒドが膵臓の細胞にもダメージを与えることによって炎症を起こし、膵炎になってしまうのです。

 

最後に

 

膵臓も「沈黙の臓器」と言われています。肝臓と同じく自覚症状が出にくく、症状が出た時には手の施しようがない状態になっているということもあります。

 

また肝臓と同様にアルコールとも深く関わりのある臓器です。そのため、健康診断などでアミラーゼの数値が基準値よりも高値で、気にかかることがあれば早めに専門機関への相談することをおすすめします。

 

また、膵炎は酸化ストレスとも関わりの深い疾患なので、病気の予防や健康長寿のためにも日頃から酸化ストレスを抑える生活を心掛けてください。