炎症と酸化ストレス、酸化ストレスにさらされない臓器はない!?

2019.06.10

 

 

私たちの体は、常に酸化ストレスと戦っています。酸化ストレスにさらされると老化が早まったりさまざまな病気の因子が増えたりします。

 

過去に書いた記事の『「酸化ストレス」とはどんなものか?』(https://antioxidantres.jp/column009/)にまとめていますので詳しく知りたいと思われる方は参考にしてください。

 

 

まず、簡単に酸化ストレスについて紹介します。酸化ストレスというのは、活性酸素種という物質が身体の細胞にダメージを与えることです。

 

活性酸素種の中には次亜塩素酸過酸化水素といった漂白剤に使われる物質があります。漂白剤を手に付けたら、肌が炎症を起こします。これが酸化ストレスにさらされた状態ということです。

つまり体内の酸化ストレスが高まれば、内臓などに炎症が生じて病気になってしまうのです。

 

 

酸化ストレスにさらされやすい臓器、さらされにくい臓器

 

私たちの体の中で酸化ストレスにさらされやすい臓器、さらされにくい臓器といった違いはあるのでしょうか。それを考える上で、私たちの体で酸化ストレスがどのように生じて、どのような影響を与えるのかを少し説明します。

 

 まずは皮膚についてお話します。太陽光線に含まれる紫外線を浴びますと、紫外線が当たった部分の皮膚に酸化ストレスが生じます。夏場などにずっと太陽の光を浴びていると、皮膚が赤くなってヒリヒリしますね。

 

それは、皮膚に生じた酸化ストレス物質によって皮膚が炎症を起こしているからなのです。これが日焼けと呼ばれている現象の正体です。酸化ストレスというと正体不明の何かのように思えるかもしれませんが、このようにとても身近にある存在なのです。

また、ニキビやアトピー性皮膚炎も酸化ストレスが原因と言えます。

目も皮膚と同様に紫外線を直接浴びる部位ですね。目の場合は酸化ストレスによって白内障、緑内障、網膜色素変性症といった病気が生じます。

 

それなら、紫外線を浴びない内臓は酸化ストレスにはさらされないで済むんじゃないかと思いませんか?しかし、残念ながらそうではないのです。運動不足、過剰な糖質、飲酒、喫煙、精神的ストレスなどさまざまなことが要因となって体内に酸化ストレスの物質が発生し、酸化ストレスが高まるのです。

 

 

酸化ストレスがダメージを起こす部分によって疾患が異なる

 

体内の酸化ストレスの影響が肝臓に出れば肝炎に、腎臓であれば腎炎、膵臓であれば膵炎となります。このように全身が酸化ストレスにさらされることで、いろんな病気が起きると言われています。また炎症があるところでは酸化ストレスが上がるとも言われています。

 

 結論としましては、酸化ストレスにさらされすい臓器やさらされにくい臓器といった差は無く、全ての臓器が酸化ストレスにさらされる可能性があるということになります。

 

酸化ストレスは体内のさまざまな部位に炎症を引き起こしますし、また炎症があるところでは酸化ストレスが上がります。それは「鶏が先か、卵が先か」のようなもので、炎症と酸化ストレスのどちらが原因でどちらが結果なのかとは判じ難い関係です。

 

ただ、相互に密接に作用し合っているものですから、一方の酸化ストレスを抑えるだけで、炎症は当然下がってくると考えてください。

 

 

最後に

 

ここまでのお話で酸化ストレスは全身の細胞にダメージを受えるということをご理解いただけたかと思います。酸化ストレスは病気だけでなく老化にもつながるということがわかっています。私たちが生きていく上で、酸化ストレスから逃げることはできませんが、酸化ストレスを下げる方法はあります。

 

酸化ストレスを下げる方法に関しては、過去の記事『どんな生活習慣が酸化ストレスになるのか?』(https://antioxidantres.jp/column028/)を参考にしてください。


 酸化ストレスを下げることは、酸化ストレスが引き起こすと言われる150種に及ぶ様々な疾患から身体を守ることができます。それは「健康長寿」に繋がります。人生の最後の最後まで健康でいたいと思われる方は、是非とも日頃から酸化ストレスを下げるよう心掛けて下さいね。