2019.07.28
精子が酸化ストレスで減少する?!精子の数を減らさないためには?
以前「卵子が老化する」という記事「卵子と酸化ストレスの関係、卵子の数と卵子の老化は酸化ストレスを抑えることで防げるの?(https://antioxidantres.jp/column101/)」を配信していますが、卵子同様、精子も数と質が非常に大切です。今回は精子と酸化ストレスについて簡単にお話します。
昨今、成人男性では携帯電話を持っていない人の方が少ないと思います。この携帯電話が原因で精子の数が減ってしまうということがわかってきています。
携帯電話というのは電磁波が出ます。電磁波というのは電子レンジのマイクロウェーブや放射線のような電波の一種で電磁波と電波は波長が異なるだけで同じものです。放射線は酸化ストレスを上げる原因になります。
参考:どんな生活習慣が酸化ストレスの原因になるのか?(https://antioxidantres.jp/column028/)
放射線の仲間である電波が人間の身体に当たるとそこに過酸化水素が発生します。過酸化水素は酸化ストレスの元です。局所的に酸化ストレスが上がれば、その部分には炎症が起こります。
参考:酸化ストレスが身体の中で増えるとどうなるのか?(https://antioxidantres.jp/column033/)
最近、携帯電話をズボンの前ポケットに入れて持ち歩いている人がいます。ズボンの前ポケットというのは、非常に睾丸に近い位置にあります。
睾丸は精巣とも言われ、精子を作ったり男性ホルモンを分泌する役割があります。
その睾丸の近くに携帯電話があることで、精子の数がどんどん減るということがわかってきています。つまり、電磁波による酸化ストレスがあると精子の数が減るということです。
酸化ストレスが高い場合は、遺伝子情報にダメージが起きます。精子の数があっても、動きが悪かったりクォリティ(質)が下がるという現象があります。
精子というのは大まかに頭部、中片部、尾部の構造になっていて頭部には核があり遺伝子情報があります。そして尾部に泳ぐための尻尾がついています。その尻尾を動かしながら、受精するために卵子の元に泳いでいきます。
精子が自力で泳ぐためのエネルギーはどこにあるのか?というと、中片部である頭部と尻尾の付け根にミトコンドリアがあり、精子が泳ぐためのエネルギーを作っています。
しかし、酸化ストレスが高いとミトコンドリアにダメージが出て精子の泳ぐ力が弱くなってしまうのです。
他にも注意していただきたいものとして「アスパルテーム」という人工甘味料があります
がんの研究論文をたくさん読んでいますとこのアスパルテームで「がん」ができるという動物実験の論文がいくつか出てきます。
よく毒性試験などで使われる「物質の安全域」というものがありますがこの「安全域」というのは値が大きければ大きいほど身体に毒性が出にくい、つまり安全だというものになります。例えば人が飲む量の1000倍で「がん」ができる、というのであれば、安全と言えるのではないかと考えられます。
しかし、「アスパルテーム」に関してはなんと80倍程度の量で「がん」ができているのです。更に、新しい事実が最近わかってきています。
昨年世界中で出たアスパルテームと精子の数との論文をまとめたものが発表されました。動物実験で「アスパルテーム」を投与していると、酸化ストレスが跳ね上がって精子の数がどんどん減っていくというデータが出ています。
このように様々な議論がある「アスパルテーム」を飲んで血糖値を上げないことよりも、小さじ一杯の砂糖をとった方が健康的だというのがこの事実を知っているサイエンティストには常識となっています。
そのためアスパルテームを飲む=精子の数が減ってクォリティ(質)が下がる可能性があることに注意してください。
精子の質を良い状態にし、精子の数をちゃんと増やそうと思われる方は、酸化ストレスを下げることをしなくてはなりません。
では、どんなことが酸化ストレスを下げることにつながるのでしょうか?
注意していただきたい物としては、煙草、過度のアルコール、放射線、高血糖、農薬、アスパルテームです。そして、プラスチックに含まれるビスフェノールという物質も非常に精子の数を下げるということがわかっていますので、このようなものを避け、酸化ストレスを下げるようにしてください。
【合わせて読みたい】
どんな生活習慣が酸化ストレスの原因になるのか?:https://antioxidantres.jp/column028/
身体のサビを防げば、不老不死が目指せるのか?:https://antioxidantres.jp/column021/