酸化ストレスが身体の中で増えるとどうなるのか?
2018.07.16
酸化ストレスにさらされるということは人間の身体の中ではなにが起こっているのでしょうか?
今回は少しイメージしやすく説明をします。 以前、「酸化ストレス」とはどんなものか?(https://antioxidantres.jp/column009/)の記事で「酸化ストレス」が、どんなものか説明しています。 この記事の中で酸化ストレスの原因となる 過酸化水素と次亜塩素酸は、そもそも体内で作られると説明しています。
過酸化水素
まずは「過酸化水素」、これは消毒薬のオキシドールや、酸素系漂白剤の主成分として使われていたりします。オキシドールは傷口につけた時にシュワシュワと泡が発生しますね。 酸素系漂白剤も洗濯槽などを掃除するときなどに同じような泡がでます。
次亜塩素酸
そして次に「次亜塩素酸」について。この「次亜塩素酸」のpH(水素イオン指数)の違いで「次亜塩素ナトリウム」という物質があります。 「次亜塩素ナトリウム」は、塩素系漂白剤の主な成分です。あの「混ぜると危険」の表示のある漂白剤です。
ちなみに、「次亜塩素酸」と「次亜塩素ナトリウム」の違いである「pH」とは、酸性・アルカリ性の違いを表すもので、pHが低いと酸性でpHが高いとアルカリ性となります。pH7は中性となります。
ちなみに、ここで説明しているpHの酸性・アルカリ性は、身体の酸化とは全く別物です。以前の記事:「抗酸化」とはどんなものか?(https://antioxidantres.jp/column006/)で説明したように酸化還元とは全く別の話です。次亜塩素酸は酸性、次亜塩素ナトリウムはアルカリ性です。
本来、次亜塩素酸の方が殺菌力は強いのですが、今回はわかりやすく「次亜塩素ナトリウム」を使った塩素系漂白剤で説明しますね。
過酸化水素を使った「酸素系漂白剤」も次亜塩素ナトリウムを使った「塩素系漂白剤」も どちらも殺菌力があります。体内でも、入ってきた細菌によって感染を起こすと、その細菌をやっつけるために、白血球が細菌を飲み込みます。
しかし、飲み込んだだけでは殺せないので、酸素を活性化し「過酸化水素」「次亜塩素酸」などを発生させます。これらを使って細菌をバラバラにして殺します。そして最後にはぽいっと捨ててしまうのです。
つまり、過酸化水素も次亜塩素酸も身体を細菌などから守るために作られているのですが、 この成分が過剰になると、身体をサビさせる原因になってしまうのです。
漂白剤に素手で長時間触れていると、手がヒリヒリしませんか?
これは炎症が起こっているということです。 漂白剤のような成分が過度に血液の中で増えると、全身に炎症が起こってしまうのです。 これが、酸化ストレス=炎症を起こす物質 という事です。
更に具体的に説明をすると、酸化ストレスの原因となるのが、活性酸素です。
先ほどオキシドールを傷口につけた時の泡。
これはオキシドールの元である過酸化水素が酸素と反応(=酸化)し、殺菌しているのですが、この時に更に反応性の強い活性酸素「ヒドロキシルラジカル」も生じるのです。
酸化=酸素と反応することです。
酸素は人間が生きていく上で絶対に必要です。 身体の細胞の核であるミトコンドリアが食事から摂取した糖分やタンパク質からエネルギーを作るためには、酸素が必要です。
この酸素が使いきれずに体内で余ってしまうと、酸化ストレスの原因である活性酸素が大量に発生してしまうのです。 酸化自体は、身体には必要ということなのですが、過度の活性酸素による過度の酸化が身体に悪い影響を及ぼすと今回は理解していただければと思います。