新型コロナウイルス感染症のデータから分かること/新しいデータから犬房先生の考えが変わったこと

2020.04.11

 

 

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■新型コロナウイルスに関して海外の論文等で新たに分かったこと

 

現在多数の論文が出ておりまして私も一応目を通しておりますが、これが決定打になるというような非常に有効な論文が出ていないと私は感じています。

 

信頼できるかどうかということですが、例えばWHOの情報が全て正しいかというとそうではない訳です。例えば2週間前はマスクは役に立たないと言い切っていたのですが、最近の報道を見ますと、事務局長がマスクが足らない大変だと言っているんですね。つまり2週間でコロっと変わるような情報を発信しておられるようでございます。ですからやはり信頼できる情報を発信し続けている組織でも個人でもいいのですが、それをよく見ていただくというのがよろしいかと思います。

 

 

■インフルエンザや風邪の死者が減っているのは本当ですか?

 

その通りでございます。

例えばイタリアの例を申し上げますと死亡者はコロナウイルスに感染している方達の10%近く出ていると報道されているのですが、一方亡くなられている方の平均年齢は80歳、そして99%の方が基礎疾患を持っておられるこれは高齢者で基礎疾患があって寿命が短い方が亡くなっているという風に考えることができる。そしてこれは私の友人からの情報ですが、ドイツで現在コロナウイルス感染で亡くなっている方の平均年齢が83歳だそうです。そして平均寿命が80歳少しですので、いわゆる平均寿命を超えて生きておられる方がコロナウイルスで死んでいると、つまりどういうことかと言いますと元々高齢者で基礎疾患があって、何かあったら死亡されるような方が今は亡くなっているということです。

 

 

■新しく公表されたデータで先生のお考えが変わったこと

 

いくつかあります。

一つは若年層の感染についてです。最近になって若年層の感染が増えていますが、それは一つはウイルス自体が突然変異をして強力になった可能性が一つと、基礎疾患があるのに分かっていなかった若年者の方が感染して重症化しているのではないかという点が一つ、そして一番最初の間質性肺炎の時にステロイドが有効と申し上げましたが特発性間質性肺炎のことでございまして、今回のようなコロナウイルスで非常に激しい間質性肺炎が起こって人工呼吸器が必要という時点ではステロイドはほぼ無効であるという様な報告が出ていますので、ステロイドが全員に効くということではありません。

むしろ中等症程度で症状が軽い時であったらある程度ステロイドが有効ではないかと思っているのですが、私は現場で患者さんを診ているわけではないので、それに関しては確定的なことは申し上げられません。以上の点です。

 

 

 

※当動画・テキストで公開している内容は、岐阜大学 抗酸化研究部門 特任教授 犬房春彦の個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません