酸化ストレスの観点から推奨される食事とは?

2019.11.08

 

食生活は健康的な生活の基本です。ほとんどの方が毎日食事はしますので、健康を意識した食事を心掛けることはすごく大切なことです。

 

 

本や雑誌、テレビ番組、インターネットなどで「この食材は身体に良い、悪い」といった情報があふれています。今回は、岐阜大学 共同研究講座 抗酸化研究部門で研究している酸化ストレスの観点から、注意したい食材やおすすめの食材についてのお話をします。

 

炭水化物の話題について

 

まずは「三大栄養素」のうちの炭水化物です。

糖質制限ダイエットが話題ですが、酸化ストレスの観点からも糖質の摂り過ぎは血糖値を上げるため、酸化ストレスが跳ね上がる食材です。

 

その中でも「白い糖質はダメで茶色い炭水化物は良い」という話題があります。しかし実はこれは、全くエビデンスがないものです。

茶色の炭水化物というのは穀物です。白い穀類と比較するとビタミンやミネラルが茶色の穀類の方が多いので、身体に良いか悪いかということであれば「まだ良い」とは言えるでしょう。しかし、糖質として考えた時には摂り過ぎない方が良いものです。

極端な例ですがそば粉のそば殻というのがあります。また小麦の殻、これらをパスタなどに使っているものがあります。このような脱穀した後の殻は糖質がほぼゼロです。

このようなビタミンとミネラルがたっぷりで糖質がゼロの物の方が身体には良いと思います。

 

そのため、あえて色で身体に良い炭水化物か?と考えた場合には、茶色の穀類は、白いものよりは「まだ良い」程度に考えてください。基本的に炭水化物を摂ると血糖値が跳ね上がって、酸化ストレスが上がりますので注意しましょう。

 

脂質で注意したい物

 

脂質には動物性と植物性の2種類があります。今回はよく話題にあがる「マヨネーズ」と「マーガリン」についてお話します。

まずマヨネーズですが、意外にも糖質はほぼゼロなのです。これは皆さん驚かれます。

身体のことを考えてマヨネーズよりドレッシングを選ぶ方もいらっしゃると思いますが、

そのドレッシング類の中でも、例えば「ごまだれのドレッシング」などは非常に砂糖がたくさん入っています。

 

ですから、酸化ストレスが上がる原因である糖分量を考えると、ドレッシングよりもマヨネーズの方が糖質の量が少ないので、酸化ストレスが上がりにくいということが言えます。

 

次に、マーガリンについてはご存知の方も多いと思いますが、いわゆる「飽和脂肪酸(トランス脂肪酸)」が非常に多く入っています。この飽和脂肪酸(トランス脂肪酸)は、動脈硬化の元になったりするため、身体には良くないと世界保健機関WHOでも注意喚起されているものです。ですから、マーガリンはできるだけ食べない方が良いと思います。

 

 

タンパク質の注意点

 

最後に「三大栄養素」のうちのタンパク質についてです。

話題の糖質制限ダイエットでは、炭水化物を控えて肉を中心とした食事を推奨しています。

しかし、赤い肉とか加工肉はあまり食べてはいけないという話題が出ています。

まず、加工肉については、世界保健機関WHOが「何年も加工肉を毎日50G以上食べていると、がんになる確率が高まります」勧告を出しています。

しかしこの理由は、肉そのものが身体に悪いというわけではなく、この加工肉に使われている保存剤や発色剤の関係であろうと言われています。

 

次に、肉を食べると身体に悪いという誤った発想をされている人が時々いらっしゃいます。しかし元々私達人類はこの200万年以上の間、基本的には肉や野菜類しか食べていないのです。(沿岸部の方は少し魚を食べていたと思います。)

そのためそもそも私達は長い間、何を主食にしていたのか?カロリー源はなんだったか?というと、これは「肉」で間違いありません。

身体も「肉」が主食であった時代からまだそんなに大きく変化できていないはずです。ですから過剰な量のお肉を食べない限りは、肉は健康に良いと考えています。

 

 

まとめ

 

酸化ストレスの観点から非常に良い食べ物は肉と魚、そして葉っぱの野菜、葉野菜です。またナッツ類も糖質がほとんどありませんので、非常に良い食べ物だと思います。

 

逆に控えたい食べ物では炭水化物やお砂糖です。また野菜でも根菜類、いわゆる牛蒡(ゴボウ)、大根、人参(ニンジン)というのは、糖質が多く含まれているのであまり量を食べると酸化ストレスを上げる原因になります。

 

最後に本や雑誌でベストセラーが出たり話題になっている時に、それをそのまま信じる方がいらっしゃいます。これは大変危険です。エビデンス(証拠)がないベストセラーや、根拠のない口コミで広がるようなニュースなども多くありますのでどうか注意してください。