肥満と酸化ストレス-肥満を健康的に改善する方法は?

2019.11.20

 

今回は、肥満と酸化ストレスの関係についてお話します。肥満は、よくBMIという指標が基準になります。

 

BMIとは日本肥満学会の基準で、BMI=体重kg/(身長m)2で計算され、BMI=22を身長に対する適正体重としています。BMI=18.5未満が痩せ型、BMI=18.5~25未満が普通体重、そして、BMI=25以上が肥満となります。

 

 

この肥満という状態は、そうでない人と比べ血糖値が高い状態の方が多いです。そして、血糖値が高い状態ということは、酸化ストレスも高い状態ということですね。

 

肥満と血糖値と酸化ストレス

 

血糖値が高いと身体に何が起こるのでしょうか?

血糖とは炭水化物が分解されてできたグルコースのことです。このグルコースは、身体の細胞内にあるミトコンドリアという小器官で人間が活動するためのエネルギーに変換されるのですが、血液中にグルコースが必要以上にありますと、本来エネルギーを作るはずのミトコンドリアが仕事をしなくなってしまうのです。

 

ミトコンドリアは、私達が食べたタンパク質(アミノ酸)や脂質(脂)から人間が活動するためのエネルギーを作りますが、同時に、私達が体内に取り入れた酸素も使ってエネルギーを作ります。しかしミトコンドリアが本来の仕事をサボってしまいますと、その酸素が使われず、ミトコンドリアの機能が衰え、うまく使われなかった酸素は、身体をサビさせる活性酸素になります。

 

このため、血糖値が高い状態だと身体の酸化ストレスが上がってしまうのです。ですから、血糖値が高いという状態=酸化ストレスが高い、と言えます。

肥満の改善方法は?

 

肥満の状態は、比較的血糖値が高い状態であり、酸化ストレスも高い状態であることから酸化ストレスを下げると同時に、血糖値も下げるということをやっていただかなければ肥満は改善しません。

 

では、血糖値を下げる具体的な方法とは何でしょうか?ひとつは、糖質制限です。

血糖値が上がる糖質を摂るのを止めていただくことです。そして、もうひとつは運動をしていただくことです。この2つを行うことにより肥満は、どんどん改善していきます。

 

 

肥満に効果のある運動方法

 

運動といいますと例えばジョギングがあげられます。毎日長い距離を何キロも走るというのは、実はあんまりよろしくないと言われています。

 

また、軽めの運動として散歩に行く方も多いのですが、この場合もゆっくりゆっくり歩いているのでは、運動にはなりません。なぜなら元々、人間は普通に歩ける動物だからです。

 

ではどういう運動が肥満に効果があるのか?

肥満に効果のある運動方法で、エビデンス(証拠)があるものを幾つか開示されています。それは歩幅を広げて、自分で「かなり早いかな?」と思うくらいのスピードで歩くことです。そうすると、だんだん汗がジワリと湧いてくるような状態になると思います。これくらいの運動を、距離でいえば3キロ~4キロ、そして週に2,3回行うというのが好ましいと言われています。

 

 

マシーンなどを使って筋トレをすることもいいのですが、その場合は、非常に過大な荷重をかけるのではなく、やはり自分が十分に動かせるような荷重で、回数を少し多めにこなしていただくというのがいいと言われています。

 

 

最後に

 

肥満の状態は血糖値が高くなり、酸化ストレスが上がります。また糖尿病のような生活習慣病になる確率も高くなります。糖尿病が怖いのは、酸化ストレスが高い状態が続き、色々な合併症を引き起こすことです。健康長寿を目指すためには、食事の改善や運動を取り入れ、今までの生活習慣を改善していくことが大切だと思います。