免疫と酸化ストレス―酸化ストレスは免疫の敵になる!
2019.11.18
今回は免疫のお話です。免疫というのは、私達人間の身体に備わっている防御システムです。
よく「免疫力を上げる!」という記事がありますが、免疫は私達が健康に生活していく上で非常に大切なのです。その免疫と酸化ストレスは大きな関わりがあります。
免疫とは?
免疫というのは私達の身体の中に入ってくる細菌やバクテリアの感染か身を守り、毎日のように身体の中にできるがん細胞を見つけ、がん化する前の段階でやっつける働きをしています。
また、よく知られているのがアレルギーです。免疫のバランスが崩れると、本来であれば、アレルギーが起きないはずの「花粉」に対して、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの拒否反応を起こす「花粉症」が出てしまいます。この花粉症と免疫が関係しているという話は、ご存知の方も多いと思います。
以前の記事、「花粉症が酸化ストレスに関係する?」(https://antioxidantres.jp/column019/)でも花粉症と免疫バランスのメカニズムを紹介しています。
免疫は、“いい状態にあること”、そして“免疫バランスが取れていること”が健康的な生活を送る上で非常に大事なことです。
免疫と酸化ストレス
免疫と酸化ストレスは非常に関わりがあります。
免疫にとって、身体のサビが増える酸化ストレスの値が高い状態は、大変仕事のしづらい環境なのです。
なぜなら、私達の白血球が免疫細胞の主な仕事をしているのですが、その白血球自体が酸化ストレスでダメージを受けてしまいますし、更に、酸化ストレスが高いと免疫のバランスが悪くなってしまうからです。
では、免疫機能を担っている白血球がダメージを受けている状態で、更に免疫のバランスが崩れてしまっている場合、私達の身体ではどのようなことが起こるのでしょうか?
当然のことながら細菌やバクテリアに感染しやすくなります。そして免疫によってやっつけられていたはずの「がん」ができやすくなります。更に、アレルギー性の疾患もどんどん増えていくという負の連鎖が起きてしまうのです。
糖尿病と免疫
糖尿病は、インシュリンがうまく働かず、血糖値が高くなる病気ですね。実は糖尿病になると、ガンになる確率がそうでない人と比べて2倍から4倍に増えるといわれています。なぜでしょう?
以前にもお話しましたように、血糖値が高くなると酸化ストレスが跳ねあがります。
参考記事:酸化ストレスの大敵!血糖値が上がるとなぜ酸化ストレスが上がるのか?
つまり、糖尿病になると、そうでない人と比べて慢性的に酸化ストレスが高い状態になりますので、免疫機能がうまく作動せず、やっつけられていたはずの「がん」ができやすくなるのです。そしてアレルギー疾患である花粉症も増え、喘息も増えるというような“負の連鎖”が起こります。
ですから酸化ストレスを下げるということは、免疫を守り、免疫のバランスのいい状態を維持することに非常に重要なことなのです。
最後に
免疫を活性化させるには酸化ストレスは大敵です。酸化ストレスにさらされることによって、免疫の本来の防御機能がうまく機能せず、逆に様々な症状が出てしまうのです。
また、免疫機能の大きな役割である、がん細胞をやっつけることができなくなれば、がんになる可能性が高くなります。がんは、あらゆる病気の中で死亡率が最も高く、日本人の死因第一位です。このがん細胞から身体を守ってくれる免疫は非常に大切なものです。
免疫を守りバランスのいい状態を保つためにも、酸化ストレスを下げる生活を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
参考:どんな生活習慣が酸化ストレスの原因になるのか?(https://antioxidantres.jp/column028/)