ドライアイに関連する疾患と眼の疾患と酸化ストレス
2020.01.22
今回は、ドライアイに関連する疾患と眼の疾患と酸化ストレスとの関わりについてお話します。
酸化ストレスが高い状態が続くと身体の様々な細胞にダメージを起こします。それがどこの細胞にダメージを与えるかによって疾患は異なります。
例えば肝臓の細胞にダメージがあれば 肝炎や肝硬変、脳細胞であれば認知症、膵臓の細胞であれば膵炎といったように、眼の細胞にダメージがあれば、緑内障や白内障につながります。
緑内障、白内障と糖尿病
緑内障と白内障は全く違う病気です。しかし、どちらも酸化ストレスが関係することが明らかになっています。
そもそも緑内障は、眼の中の圧力、眼圧を正常に保つために眼の中に水(房水)があります。この水が出たり入ったり自由にできる状態が正常な状態です。
しかし、その水の出口が酸化ストレスでうまく流れなくなると眼圧、つまり眼の圧力が上がってしまい、その状態が長期的に続くことで網膜が圧迫されダメージを起こすという病気です。
一方、白内障は眼の外から入ってくる光を処理して網膜に伝える眼の中のレンズが白く濁り、これによって光をうまく処理できなくなってしまう病気です。これも酸化ストレスが原因です。
この白内障になる確率は、糖尿病の患者さんでより高くなります。なぜなら血糖値が高くなると酸化ストレスも高くなるからです。ですから、血糖値が高い状態が続くと白内障になる確率がどんどん上がるということになります。
このように酸化ストレスに関わりのある疾患というのは、別の疾患にもつながる可能性が高いので、非常に厄介です。
ドライアイ
眼の疾患の中に「ドライアイ」というものがあります。
ドライアイは、いわゆる眼球の表面に潤滑させる水分(涙)の分泌が少ない病気です。
この水分は眼を守るためにとても大切なもので、眼の水分が減ると眼が乾く、疲れやすくなる、物がかすんで見える、眼球に傷がついてしまうといった危険があります。
特にコンタクトレンズの使用は、このドライアイの原因にもなります。よくコンタクトをしていると、乾いた眼を潤すために目薬が手放せないと言われる方もいます。
このようにドライアイは眼の水分が少ない状態ですが、眼だけでなく唾液も出にくくなる、いわゆるドライマウスの症状がある場合は、自己免疫疾患「シェーグレン症候群」という病気の可能性があります。
本来、身体を守るために分泌している水分などが分泌されなくなり、この状態が続くと身体の色々なところにダメージが出てきます。これは単純に乾燥を補ってやれば良いというわけではなく免疫機能がうまくコントロールできていないことが原因です。
シェーグレン症候群もやはり、血液中の酸化ストレスが上がっているということが明らかになっています。
最後に
眼の疾患は酸化ストレスが大きく関わっていますので、酸化ストレスを下げてやることで症状が改善することがあります。また、酸化ストレスを下げる生活習慣がこのような病気の予防につながります。
また、酸化ストレスが関係する疾患の多くは、酸化ストレスが高い状態が原因で発症するため、更に酸化ストレスに関係する別の病気につながる恐れがあります。
何かしら症状がある場合には、早めに専門医にかかり正しい治療をすること、そして、酸化ストレスを下げる生活習慣を心掛けることが大切です。