飲酒の健康被害について―どのような病気につながるのか?
2019.12.22
大量飲酒の注意
習慣性の大量飲酒は身体の中で何が起こるのでしょうか?
飲酒したことで体内に吸収されたアルコールは代謝されて毒性の強いアセトアルデヒドに変わります。これがものすごく体をサビさせるのです。
アルコール分解については、別の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
考えられる身体へのリスク
・肝臓
アセトアルデヒドの分解は肝臓の中の細胞で行われるため、当然ながら肝臓に負担がかかります。
これにより起こりやすくなるのが、肝炎です。肝炎はほとんど症状がありません。そのため気づかず、肝炎の状態でもアルコール摂取を続けると、肝硬変になります。
・膵臓
最近非常に増えている疾患が膵炎です。膵臓は酸化ストレスによるダメージを受けやすいため、大量飲酒を続けると膵炎になってしまいます。
膵炎も一回だけで治ればいいのですが、繰り返し起こすと慢性膵炎になってしまいます。それは膵臓が、肝硬変と同じようなカチカチに硬くなって、インシュリンがでなくなったり、食べ物の消化ができない状態です。
・がん
アルコールは何と言ってもとにかく身体をサビさせます。そうすると体中どこでもがんができるリスクが非常に高くなります。
例えば食道がんや、胃がんはアルコールが直接通るのですから食道、胃は当然ダメージを受けますので、そのリスクは上がります。
しかしアルコールが直接通らない肺がんや乳がん、大腸がんになるリスクも非常に高くなることが分かっています。そのためアルコールの長期大量摂取をする=非常にがんになりやすいということがいえます。
・認知症
次に大きな問題となるのが認知症です。
脳は臓器の中でも最も酸化ストレスを受けやすいところですので、アルコールを大量に摂取している期間が長いと、やはり脳もダメージを受けます。ですから認知症、アルツハイマー病になるリスクが非常に高くなってしまうのです。
最後に
大量飲酒は習慣的になると非常に危険です。アルコールの長期にわたる大量摂取は、考えうる全ての病気にかかりやすくなると考えていただければと思います。
厚生労働省が推奨するお酒の適量というのは「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。」とあります。
これはビールでしたら中ビン1本、日本酒でしたら1合、酎ハイでしたら350ml1本、ウイスキーはダブル1杯程度です。ぜひこの量を心掛けるようにしてください。
そして飲み過ぎたなと思った翌日は、肝臓を休めることを考えてお酒は飲まないことをおすすめします。