動物性、植物性どちらの脂質も体によいのですか?
2019.11.24
以前、脂質は身体に良い。という話を紹介しました。
「太っている人は脂質は食べない方がいい?!脂質は身体にいいもの?悪いもの?」(https://antioxidantres.jp/column119/)
脂質には種類があります。脂質を大きく2つに分けると、動物性脂肪と植物性脂肪に分けられます。このどちらも身体に良いのでしょうか?
今回はその脂肪のお話です。
動物性脂肪とは?
動物性脂肪とは動物の体に含まれている脂肪です。一般的に魚の脂肪は含まれません。肉や牛乳、チーズなどの乳製品、バターなどが動物性脂肪です。動物性脂肪には、飽和脂肪酸が多く含まれています。
以前、アメリカで動物性脂肪の摂取量を減らしましょうという考え方が取り入れられ、日本でも同様に、飽和脂肪酸が多く含まれるお肉は身体に良くないのであまり摂取しないようにという考え方が広まりました。
しかし、以前このサイトでも取り上げましたが悪玉コレステロールは身体に悪いという話と同様、今となっては古い考え方です。
植物性脂肪とは?
一方、植物性脂肪とは植物に含まれている脂分を抽出して作られた製品のことを指します。
大豆油やゴマ油、オリーブオイルなどがよく知られています。
これらは炒め物をする際にフライパンに少し入れたり、天ぷらを作る際に、揚げ油として使うことが多い物で、ほぼ液体です。なぜなら不飽和脂肪酸を多く含んでいるからです。
この不飽和脂肪酸は融点が低いため通常は液体のことが多いものです。ココナッツオイルは、飽和脂肪酸を多く含んでいるため固形のままのことが多く、サラダ油に使われる大豆やとうもろこし、ゴマなどの植物性脂は液体です。
実はこの植物性脂には気を付けたいものがあります。
気を付けたい植物性脂、トランス脂肪酸
植物性の脂の中には身体によくないとはっきり分かっているものがあります。それは「トランス脂肪酸」という脂肪酸の入っている脂です。これが入っている脂を大量に食べるというのは身体によくないと言われています。
代表的なものが「マーガリン」や大豆油、菜種油やヒマワリ油などです。厚生労働省もトランス脂肪酸についての注意点を紹介しています。
WHO (世界保健機関)は心血管系疾患リスクを低減し、健康を増進するための勧告(目標)基準として、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう提示しています。
参考:厚生労働省「トランス脂肪酸に関するQ&A」よりhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091319.html
植物性脂でこのトランス脂肪酸が含まれず身体にいいと考えられる物は、実は非常に限られています。
例えばオリーブオイルやえごま油という油ですが、一般論でいいますと、天ぷらを揚げる際に使ったり、炒め物などの料理に使う場合はそんなにたくさんの量を身体に取り入れるわけではないので、あまりナーバスになる必要はないと思います。
ですのでマーガリンを避け、天ぷらは控えめにしていただければ問題はないと思います。
最後に
脂質は身体に悪いものではありません。動物性脂肪は特に問題ありませんが、植物性脂肪には少し避けた方がいい種類があるということを今回は覚えておいてください。
政府や海外の健康に関する機関では、身体にとって良くない、注意したい食材リストを出しています。ですので量や具体的な食材などは注意して確認していただくことをおすすめします。
悪い食材でも、通常の量であれば問題ないこともありますし、逆に身体に良い食材だからと、より多く摂取して悪くなる、もしくは常識では考えられない量を摂らないと効果が出ないものもあります。
日常生活で無理なく 取り入れられるものは取り入れ、意識的に避けるべきものは避けるようにしていただくことが、健康な食生活につながると考えます。