ニキビと酸化ストレス:その美容成分は抗酸化力がある?

2019.12.26

 

今回はニキビと酸化ストレスのお話です。思春期に悩むことが多いニキビ、しかし大人になってからもニキビに悩んでいる方がいらっしゃると思います。なかなか治りにくいニキビは「難治性ニキビ」と言い、皮膚科などの専門医にかかる方もいます。

 

 

このニキビもやはり酸化ストレスと関わりがあるものです。今回は酸化ストレスとニキビの関連ついて解説していきます。

 

 

ニキビの種類

 

ニキビはよく下記の3種類に分けられます。

白ニキビ:毛穴に皮脂が詰まって盛り上がり、白く見えるニキビ

黒ニキビ:毛穴に詰まった皮脂が毛穴を開き、黒く見えるニキビ

赤ニキビ:毛穴に詰まった皮脂が炎症を起こし、赤くなるニキビ

 

この中でも赤ニキビは、炎症がひどくなると膿をもって大きく腫れあがります。この状態は黄ニキビと呼ばれ、病院で中の膿を出す排膿治療を受ける方もいます。難治性のニキビでは、赤ニキビに悩んでいる方が多いです。

 

ニキビが最も多くできるのが「顔」です。顔にニキビができると自分で見えます気になりますし、鏡を見て憂鬱になります。実はニキビが顔にできやすいのは、酸化ストレスが関連しています。

 

 

ニキビと酸化ストレス

 

顔は身体の中で最もお日さまの当たる場所です。頭皮は髪の毛で守られていますが、顔の皮膚は直接紫外線にさらされてしまいます。紫外線が皮膚に当たると皮膚の中で過酸化水素、つまり身体をサビさせる物質である酸化ストレスの元である活性酸素になり、これは日焼けの原因にもなります。

 

つまり顔の皮膚は服で覆い隠されている腕や胴や足などの部位と比べて、酸化ストレスが高い状態だということができます。

 

またニキビができる要因として、脂質を好むアクネ菌(プロピオニバクテリウム アクネス)、という細菌に感染することです。

 

この細菌はほとんど全ての人の皮膚や毛穴にいる常在菌。ところが皮膚から出てきた皮脂(あぶら)が、酸化ストレスによって酸化脂質、つまりサビた脂になり毛穴をふさいでしまうと非常にアクネ菌が増殖しやすい環境になる為、増殖・炎症を引き起こし、ニキビができるのです

 

体調が悪い時にニキビが増えたりするのも免疫バランスが崩れて身体の酸化ストレスが高い状態になるからです。ですから酸化ストレスが高い状態だとニキビができやすい状態だと考えてください。

 

酸化ストレスを下げてやることでニキビが消えることがあります。現在、TRIで行っている「難治性のニキビ撲滅プロジェクト」では、抗酸化剤を飲んだ方の80数%の方がニキビが改善したと報告されています。

 

 

抗酸化作用と成分

 

よく美容成分で抗酸化作用を謳っている商品があります。しかし、中には注意していただきたい商品もあります。

 

岐阜大学 共同研究講座 抗酸化研究部門での実験の結果から、ビタミンCには抗酸化効果があることが分かっていますが、コエンザイムQ10単独では抗酸化効果がほぼありませんでした。

 

抗酸化研究部門では、身体の酸化ストレスを下げるためには、身体にできてしまった酸化ストレスを打ち消すだけではなく、酸化ストレスを生み出す小器官ミトコンドリアの調整をする、この2つが非常に大切だと考えています。

 

特にミトコンドリアを調整するには、1種類の成分だけでは不可能です。これと同様に単独のビタミンCやコエンザイムQ10のみで身体の酸化ストレスを下げるのも難しいといえます。

 

ニキビに悩んでいる場合は、酸化ストレスを下げる生活習慣で改善することがあります。そして抗酸化力を期待して化粧品やサプリメントを選ぶ際には、その商品に医学的なエビデンスがきちんと出ているかどうかを確認するようにしてください。

 

※参考

どんな生活習慣が酸化ストレスの原因になるのか?https://antioxidantres.jp/column028/